われわれは、Acerの初期のモデル「C7」もレビューした。C7は199ドルという驚きの低価格だった。だが、米CNETの2012年のレビューでは、低価格のタブレットやローエンドのWindowsノートPCに及ばないという評価を受けている。「AcerのC7の長所は、物理的なキーボードとタッチパッド、大容量のハードドライブ、そして価格だ。短所は、バッテリー持続時間が極めて短いことと、Chromeの非常に奇妙に合理化されたOSである」
そうした状況はしばらく続いた。より多くの企業が市場に参入したことで、Chromebookは低価格ノートPCのマインドシェアの多くを占めるようになったが、こうしたマシンは、せいぜいサブのノートPCか予備のノートPCという印象を依然として持たれていた。記録を振り返ると、筆者が「Living with Chromebook」というタイトルを付けた最初の記事を執筆したのは2013年のことだったが、当時はまだ懐疑的だったと言っていいだろう。
Chrome OSは有望だが、最終的に本格的なOSの水準には達していない、と感じた。言い換えると、2台目のコンピューターとして使うのであれば概ね問題はなかったが、あらゆるタスクをこなす唯一のメインPCとして利用できる水準には達していなかった。
WindowsのノートPCやmacOSのノートブックと同じように快適に機能し、OSに対する不安がそれほど多くないChromebookを見つけたのは、2017年のことだった。それはサムスンの550ドルの「Chomebook Pro」で、同じ価格帯のどのWindowsノートPCよりもはるかに優れていた。
同じ価格帯(またはそれ以下)のWindowsノートPCやタブレットはたくさんあるが、Chomebook Proのように、妥当なデザイン、主に金属製の筐体、遅延のないパフォーマンス、長いバッテリー持続時間、HD以上の解像度のタッチスクリーン、本体に収納可能なスタイラス、タブレットに変身させるハイブリッドヒンジのすべてを備える製品は他にない。
Chomebook Proは、将来を見据えた3:2のアスペクト比のディスプレイも搭載していた。だが、Chromebookをニッチな製品からメインストリームへ押し上げるのに貢献した大きな動きは、当時としては新しかった、Google Playアプリストアへの対応が追加されたことだ。ほぼどんな「Android」アプリでもChromebookで実行できるようになったことで、Chrome OSの懐疑派が不服を抱いていた最大の理由、つまり、アプリをダウンロードしてローカルで実行できないという問題が解消されたのだ。確かに、それらのアプリはモバイル版だったが、多くのタスクをこなすには十分だった。
2020年3月、新型コロナウイルスによって学校やオフィスが閉鎖され、非常に多くのことがオンラインに移行し、世界は変わった。リモートワークやリモート授業の中で、多くの世帯は1人1台ノートPCが必要だと気付き、安価なChromebookの新たな顧客となった。Chromebookは相対的に手ごろなノートPCで、学校や会社で必要な「Zoom」や「Google Classroom」などのオンラインツールにアクセスできる。
2020年から2021年にかけて、Chromebookは学生やリモートワーカーに最適なツールの一つとして脚光を浴びた。ノートPCのレビュアーであるGoldman記者はChromebookについて、現時点でほとんどの人に勧められるノートPCだと書いた。なぜだろうか。筆者の考えでは、新型コロナウイルスのパンデミックにまつわる変化により、多くの人がPCに本当に必要な機能について再検討を余儀なくされたことが原因だ。Goldman記者は次のように表現している。「ちょっとした調査の後、多くの人はChromebookで実行できること以外のことは単にする必要がないと気付いた」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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