「Chromebook」誕生10周年--ニッチから主流に台頭した歴史を振り返る - (page 2)

Dan Ackerman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2021年05月14日 07時30分

 筆者の同僚のScott Stein記者は同じ週の記事で以下のように伝えた。

 サムスンの499ドルの「Series 5」Chromebookは、前途多難だろう。同じ市場に、タブレット、「ハイエンド」の11インチおよび12インチノートPC、ネットブック(Series 5より高速なプロセッサーを搭載するものもある)がすでに存在するからだ。これは、われわれがしばらく前から熟考してきた問題だが、もう一度書く。完璧な小型ディスプレイ搭載ポータブルデバイスとは、実際にどんなもので構成されるのだろうか。

レノボによる初期のChromebook
レノボによる初期のChromebook
提供:Sarah Tew/CNET

 10年経った今でも、iPadとChromebookはカジュアルコンピューティングの分野でしのぎを削っている。どちらも400ドル以下で購入可能で、1000ドルを超える高級モデルも提供されている。最大の変化は、ChromebookがiPadに少し近づき、アプリストアの「Google Play」に対応するようになったことだ。一方、iPadはノートPCに近づいて、マウスとタッチパッドのサポートが追加された。

Chrome OSの初期の評価

 Chromebookの10年にわたる歴史を振り返っていたとき、2011年5月11日の発表よりも前にChromebookが存在していたことを思い出した。それは、Google製の「Cr-48」Chromebookである。2010年にパイロットプログラムへの招待者の一部に提供されたプロトタイプだ。Cr-48の外観は質素で、12.1インチ、1280×800ピクセルのディスプレイ、3Gモバイルブロードバンド、Intelの「Atom N455」CPUが黒い筐体に搭載されていた。

 非常に興味深かったのが、GoogleがCr-48のテスターに対して、驚くほど率直に不安を認めていたことだ。「このパイロットプログラムは気弱な人向けではない。すべてが常に正常に機能するとは限らない」(同社)。皮肉なことに、Chromebookはそうした不安と真逆の挙動を示すことで、成功を収めている。Chromebookは気弱な人に最適なノートPCであり、大抵の場合、うまく機能する。

 この懐かしいフォトレポートを見れば、Cr-48の外観がどれだけ平凡なものかお分かり頂けるだろう。もちろん、VGAポートも備えていた。

Cr-48
Cr-48
提供:Josh Miller/CNET

 しかし、最初の消費者向けChromebookについては、どう感じただろうか。筆者の同僚のJosh Goldman記者は、サムスンの最初のChromebookに関して、当時のWindowsノートPCよりも合理的であると称賛していた。

 すべてがウェブベースであるため、ブロートウェアが存在しない。新鮮な体験だ。ブラウザーの「ホーム」ボタンをクリックすると、自分が使っているChromeウェブアプリ群に直接アクセスできるが、これらはサイトへのブックマークにすぎない。実際のところ、その体験は楽しいものだ。特に、Googleアカウントの設定がすでに完了している場合は、そう感じるだろう(中略)。しかし、少し使用すると、Chromebookの輝きが失われてくる。われわれが最初にそれを感じたのは、ZIPファイルを開く必要があったにもかかわらず、サポートされていないファイル形式だというエラーが表示されたときだった。

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