パナソニック、宅配急増でポストの形が変わる--広い投函口で大型郵便もすっぽり入る「パケモ」

 パナソニック ハウジングシステム事業部は5月12日、厚さ7cmの大型郵便物や小型荷物を投函できるポスト「Pakemo(パケモ)」を発表した。投函口が小さいため対面での受け取りになったり、再配達になったりする大型郵便物の投函に対応する。発売は6月1日。税込み価格は7万9310円になる。

「Pakemo(パケモ)」
「Pakemo(パケモ)」

 新型コロナ感染拡大防止によるおうち時間の増加もあり、EC市場は増加傾向にある。2010年度比で市場規模は2.5倍になり、利用者も急増しているという。通常の宅配ニーズに加え、昨今ではフリマアプリによる利用も後押ししており、パナソニックによると、フリマアプリを利用する人が商品を発送する荷物のサイズは厚さ7cm以下が約7割を占める。

 現状のポストは、投函口のサイズが約3cm程度と狭く、厚さ7cmのものは投函できない状態だ。パナソニック ハウジングシステム事業部外廻りシステムBU外廻り設備商品推進部商品企画開発一課の原望氏は「現状の一般的な郵便受けは厚さ7cmの荷物が投函できない。そのため、インターフォンを押して対面受け取りになったり、宅配ボックスを利用したり、再配達になってしまう。これからのポストは大型郵便まで受け取れる必要がある。それが再配達削減につながる」と開発の経緯を話した。

パナソニック ハウジングシステム事業部外廻りシステムBU外廻り設備商品推進部商品企画開発一課の原望氏
パナソニック ハウジングシステム事業部外廻りシステムBU外廻り設備商品推進部商品企画開発一課の原望氏

 Pakemoは、高さ450mm×幅390mm×奥行き192mmの大型サイズで、投函口の幅は74mmを確保。フリマアプリなどで利用が多い「ゆうパケットプラス(厚み7cm)」や「ゆうパケットポスト(厚み3cm)」などの大型郵便物が投函できる。

投函口にはフラップを設け、手を入れても引き出しにくく、荷物も抜け取りにくい
投函口にはフラップを設け、手を入れても引き出しにくく、荷物も抜け取りにくい

 上から投函し、前から取り出す形状で、同時に2つまで大型郵便物を受け取れる。投函口にはフラップを設け、手を入れても引き出しにくく、荷物も抜け取りにくいように工夫。数字を回して施錠、解錠できるダイヤル錠付きで、盗難にも配慮する。

投函口が74mmあり、「ゆうパケットプラス(厚み7cm)」や「ゆうパケットポスト(厚み3cm)」も受け取れる
投函口が74mmあり、「ゆうパケットプラス(厚み7cm)」や「ゆうパケットポスト(厚み3cm)」も受け取れる
上から投函し、前から取り出す形状
上から投函し、前から取り出す形状

 本体は、鋳鉄ブラック色、ステンシルバー色、漆喰ホワイト色、エイジングブラウン色と4色を用意。壁掛けのほか、表札(別売)やドアホン(別売)などと組み合わせてポールに取り付けられる専用のエントランスポール(同:6万8970円/LEDユニットなし、8万0740円/LEDユニットあり)も用意する。

 「手紙や新聞などは電子化され、減少傾向にあるが、大型郵便は増加している。厚さ7cm以下の小包まで受け取れる大型ポストを市場のスタンダードとして提案していきたい」(原氏)と、パケモを新たなポストの形と位置づける。

 新築戸建てへの導入のほか、リフォーム住宅などに展開していくとのこと。工務店経由のほかホームセンターなどでも販売する予定だ。

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