シャープは5月7日、東京医科歯科大学と連携し、「遠隔応対ソリューション」を活用した入院患者と家族、医療従事者間のコミュニケーション改善効果を検証する実証実験を5月19日より開始すると発表した。
同社の「遠隔応対ソリューション」とは、スマートフォンやタブレットなどを使用し、病室とナースステーションなどのスタッフルームをつないで非接触でのコミュニケーションを支援するソリューション。医療機関や福祉施設向けに、2020年7月に発売していた。
導入した医療機関は、患者やその関係者との接触回数を減らすことができ、感染症拡大リスクの抑制が図れるようになる。また、患者やその関係者への応対を遠隔で行うことにより、つねにその場にいる必要がなくなるため、人員の効率化も図れる。
病院では感染症対策の一環で入院患者との面会が制限されており、家族とのコミュニケーション機会が減少。双方の心理的な負担が増しているという。
また、医療従事者と家族の面談時に患者自身の同席が困難なことから、説明に必要な応対時間が長びく傾向にあるなど、医療従事者の負荷も増大している。
今回の実証実験は、同ソリューションを活用し、東京医科歯科大学医学部附属病院において、集中治療室(ICU)の入院患者5名の家族の協力を得て実施する。
病室および、患者の家族の自宅にタブレットを設置し、ビデオ通話機能による患者と家族の面会に加え、医療従事者と家族とのコミュニケーションの向上を図る。
実証実験は約6週間(5月19日から6月30日まで)を予定しており、期間中および、終了後に家族の満足度や医療従事者の負担軽減の度合いなどをアンケート調査するほか、医療従事者の応対時間や回数などを確認する。
同ソリューション導入によるコミュニケーションの改善効果に加え、コミュニケーション深化への効果も検証する。
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