三井不動産は4月27日、スタートアップ向けのワークスペースブランド「startup workspaceTHE E.A.S.T.」を本格始動したと発表した。東京の東側に6つの拠点を設け、スタートアップの成長を加速させる場として展開していく。
三井不動産では、ベンチャー共創事業「31VENTURES(サンイチベンチャーズ)」を展開。startup workspaceTHE E.A.S.T.はそのソリューションとして、新たに立ち上げたもの。E.A.S.T.は、「Empowering Ambitious Startups in Tokyo」の略でもあり、大手企業が多く拠点を構える東京の東側エリアにスタートアップを集積させることで、両者の協業を促す。
すでに、日本橋人形町や霞が関など6拠点を設けており、4月にフラッグシップとなる「THE E.A.S.T. 日本橋富沢町」をオープンした。7階建ての1棟をまるごとスタートアップ向けのワークスペースとして提供。築50年のオフィスビルをフルリノベーションしたという。
コワーキングスペースのほか、2~6名で利用できるシェアスペース、4~40名で使えるプライベートスペースを用意。各席がパーティションで区切られたフォーカスゾーンやミーティングルーム、ウェブ会議用ブースも完備する。
三井不動産では、THE E.A.S.T.のターゲットを、大手企業内で働いていたり、働いていた経験を持つ「大人起業家」としており、入居もスタートアップもしくは、起業を見据えた個人に限定しているとのこと。
入居の際は審査があり、全てのプランで代表面談を実施。スタートアップ企業として、その代表の志、サービス・ビジネスモデルの革新性、成長性、将来性、三井不動産と協業可能性の4点から総合的に判断するという。
拠点内では、三井不動産 ベンチャー共創事業部のスタッフとともに、スタートアップや起業家を育成するプロトスターのスタッフも常駐。事業の成長を日常的に支援するほか、定期的な個別面談や、事業パートナーの紹介や協業、資金面の検討などにも対応する。
三井不動産 ベンチャー共創事業部事業グループ主任の塩畑友悠氏は「新型コロナの影響により、オフィスに求められるものは変化している。スタートアップの方にアンケートを実施したところ、オフィスはディスカッションや雑談を通じ、企業の一体感を創出する場所。アフターコロナでもなくならないという声を多くいただいた。しかし、短期間で人数の増加などが見込まれるスタートアップには柔軟性のあるオフィスが必要。THE E.A.S.T.ではコワーキングもスペースも併設し、人数が増えても対応できる」とメリットを話した。
プロトスター 取締役CCOの栗島祐介氏は「収入面など起業に対する不安やロールモデルがいないなど、大人が起業にはするにはハードルがある。しかし、現在は資金調達額が増し、ロールモデルも増え、大人起業家として成功する人が増えてきた。土壌ができてきた中で、次の一手としてTHE E.A.S.T.をスタートする。起業家を集積し、オープンなコミュニケーションを提供することで、日本橋を中心にスタートアップのエコシステムを構築できればと思っている」とコメントした。
THE E.A.S.T. 日本橋富沢町の入居率は現在4割程度。塩畑氏は「今後は、中央区や千代田区などにもエリアを広げていきたい」とした。
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