Microsoftは米国時間4月12日、人工知能(AI)や音声認識技術を手掛けるNuance Communicationsを総額197億ドル(約2兆1600億円)で買収することで合意したと発表した。マサチューセッツ州バーリントンに拠点を置くNuanceは、Appleのデジタルアシスタント「Siri」の技術基盤を作った企業だ。この買収は、Microsoftによる「ヘルスケアやその他の業界にわたる新しいクラウドやAI機能」の提供に役立つとMicrosoftは述べた。この買収については、Bloombergが11日に報じていた。
Microsoftによると、買収額は1株あたり56ドル。これは9日のNuance株価終値に23%上乗せした金額で、総額をすべて現金で支払うという。Microsoftの企業買収としては、2016年の262億ドルでのLinkedIn買収に次ぐ2番目の規模となる。Nuanceの最高経営責任者(CEO)を務めるMark Benjamin氏は、MicrosoftのクラウドおよびAI責任者の直属として、その役職にとどまる予定だ。
「Nuanceは、ヘルスケアのポイントオブデリバリー(POD)におけるAIレイヤーを提供しており、エンタープライズAIの実用的なアプリケーションの先駆者だ」と、MicrosoftのCEOであるSatya Nadella氏は12日のブログ記事で述べた。「AIはテクノロジーの最も重要な優先項目であり、ヘルスケアは、最も緊急性の高いアプリケーションだ。MicrosoftとNuanceは、パートナーエコシステムとともに、『Microsoft Cloud for Healthcare』とNuanceの成長を加速することにより、先進的なAIソリューションをあらゆる場所にいる専門家の手に届けて、より良い意思決定を促し、より有意義なつながりを構築していく」(同氏)
多くのハイテク企業と同様に、Microsoftは近年、AIに多大な投資をしている。2020年には、28万5000個のコアを搭載する巨大なAI用スーパーコンピューターを発表した。2018年には、チャットボットとしても知られる会話用AIを開発した新興企業XOXCOの買収を発表している。
Nuanceの買収は2021年末までに完了する見込みだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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