「全世界のコミュニティーからの励ましのおかげで、ようやくここまで来ました」。JoeBen Bevirt氏がカメラに向かってこう話している。同氏の右肩越しに、ヘリコプターと小型飛行機のハイブリッドのような乗り物が見えていて、やがて複数のローターの回転とともに上昇を始める。
Joby Aviationが初公開した動画の1本の最後で感心するのが、創業者であるBevirt氏が話しているときに、背後にある同社のeVTOL(電動垂直離着陸機)がたてる騒音にかき消されないように声を張る、という場面がないことだ。2月にこの動画を公開したとき、同社が狙っていたのは、間違いなくその効果を見せることだろう。動画が公開されたのは、Joby Aviationがニューヨーク証券取引所での上場を発表した日でもあった。また、同時に公開されたもう1本の動画では、エアタクシーが飛行している実際の様子をはっきりと見ることができる。2本の動画の詳細については、記事内の動画をご覧いただきたい。
「騒音は極めて低く抑えられており、離着陸時でも、100m離れた地点では65デシベル未満となっている。500フィート(約150m)から2000フィート(約600m)上空なら、ほとんど無音と言える」と、Joby Aviationの取締役会長Paul Sciarra氏は米CNETに語った。空飛ぶタクシーが、都市交通の現実的な解決策になるには、相当の静音性が重要になってくる。乗り物としてどんなに効率的だろうと、昼夜かまわず近所でヘリコプターのような騒音をたてられたのでは、たまったものではないからだ。
Joby Aviationによると、2009年の創業以来、テスト飛行は1000回を超えるが、同社の空飛ぶタクシーが実際に動くのが一般に公開されたのは、今回が初めてだという。完全電動の乗り物で、最高速度は時速約320km、航続距離はおよそ240kmに達する。5人乗りで、これにはパイロットも含まれるが、地上からの遠隔操縦にも対応している。
この分野には競合他社も多いが(Archer Aviation、Lilium、Boeingが筆頭)、Joby Aviationはトヨタ自動車から出資を受けており、先頃Uberの空飛ぶタクシー事業であるUber Elevateを買収したばかりだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」