Microsoftの新しい「Chromium」ベースの「Edge」ブラウザーで、長い間開発中だった「垂直タブ」が最新の安定版にようやく追加された。
垂直タブは、ユーザーが画面スペースをより効率的に利用できるようにすることを目的とし、多数のタブを開いている際にブラウザーの生産性を向上させる手段を別の視点で提示している。
Edgeの新しい安定版「バージョン89」には垂直タブのほか、「スリープタブ」などのパフォーマンスを向上させる改良が追加されている。Microsoftは、スリープ状態のタブがメモリーとCPUに与える負荷を低減しようと取り組んできた。
垂直タブは2020年10月より、Edgeの「Dev」チャネルでプレビュー版が提供されている。垂直タブはブラウザーの左側に表示される。ブラウザーの左上隅の「垂直タブバーを有効にする」アイコンをクリックすれば表示できる。垂直タブに切り替えると、開いているタブがすべてブラウザーの左側に移り、タブに表示されるサイト名を表示するスペースが広くなる。
在宅勤務では1日の作業の中で、「Outlook」「Gmail」「Zoom」「Google Meets」「Slack」「YouTube」などのあらゆる機能をブラウザーで利用する場合が多いかもしれない。垂直タブは、そのような中で徐々に増えていくタブに対応する。
MicrosoftのコーポレートバイスプレジデントLiat Ben-Zur氏は、「タブの管理と整理を容易にするため、3月に垂直タブの一般提供を開始している。すべてのユーザーが、ワンクリックで端にあるペインからタブを表示し、管理できるようになった。これによって、タブをいくつ開いていても、タブのタイトルやコントロールをはっきりと見ることができ、必要なタブを見つけたりタブを切り替えたりしやすくなる」と説明している。
Edge 89で、パフォーマンス関連のもう1つの大きな機能は「スタートアップブースト」だ。Edgeの起動時間を短縮するバックグラウンドの機能となる。有効にすると、起動時間が29~41%改善されるとMicrosoftは説明している。
Microsoftは、「スタートアップブーストは、ブラウザーが非表示のときに、少数のMicrosoft Edgeのプロセスを実行しておくことで機能する。これにより、例えばMicrosoft Edgeアイコン、他のアプリケーションからのハイパーリンクをクリックしたとき、またはタスクバーの検索ボックスから検索するときに、より素早くMicrosoft Edgeを開始できる」としている。
この機能は現在、Edgeユーザーに対して段階的に提供されており、最新版でもまだ利用できない可能性がある。
またMicrosoftは、「Microsoft Edgeのブラウザーウィンドウが開いているときに、スタートアップブーストがさらなるリソースを追加することはない」と述べている。
「Microsoft Edgeが閉じているときには、Edgeの一連のコアプロセスが動き続けており、後ですばやく起動できるようにする。ブラウザー、GPU、ネットワーク、CrashPadなどのプロセスがバックグラウンドで動いているのを確認できるだろう。実験で、これらのプロセスのリソース使用は最小限であることが示されている」
さらにMicrosoftは、今開いているページのコンテキストを失うことなく、閲覧履歴に簡単にアクセスし、管理できるようにしている。「設定」でページ全体に表示するのではなく、ツールバーからドロップダウンで履歴を表示する。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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