エントランスもメールボックスも「顔」で解錠--鍵が要らないマンション登場

 プロパティエージェントは1月28日、集合住宅全体へ顔認証サービスを採用した、鍵が要らないマンションを竣工したと発表した。エントランスの入場メール、宅配ボックスの解錠、エレベーターの呼び出し、各戸への入室が顔認証端末に顔をかざすだけで可能になる。

「クレイシアIDZ学芸大学」のエントランス部分。実際体験してみると通り抜けできるくらいのスピードで顔認証が完了していた
「クレイシアIDZ学芸大学」のエントランス部分。実際体験してみると通り抜けできるくらいのスピードで顔認証が完了していた
アプリ画面
アプリ画面

 鍵が要らないマンションは、東京都目黒区にある「クレイシアIDZ学芸大学」。現在、入居募集中の賃貸マンションだ。エントランスのほか、28戸ある部屋すべてに顔認証端末が整備されており、エントランス、エレベーター、各部屋のすべてが顔認証でスルーできる仕組み。エレベーターは顔をかざすだけで入居している階数のボタンが押されている。

エレベーターは顔認証を受けて乗ると、降りる階数のボタンがすでに押されていた
エレベーターは顔認証を受けて乗ると、降りる階数のボタンがすでに押されていた
各部屋の扉も顔認証で解錠する。施錠はオートロック
各部屋の扉も顔認証で解錠する。施錠はオートロック

 顔認証端末は駐車場、駐輪場の入口にも完備され、あらゆる場所からのアクセスに対応。メールボックスでは顔をかざすだけで、該当ボックスが開いたり、宅配ボックスも同様の形で受け取れるなど、徹底している。プロパティエージェントによると、エントランス、各部屋に加え、メール、宅配ボックスまで顔認証で対応しているのは、国内初とのこと。

 顔認証技術には、グループ会社DXYZ(ディクシーズ)が開発した顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」を使用。利用者にはスマートフォンアプリとして提供され、顔登録が可能。一時的な入室権限を付与する「One Time(鍵貸し)機能」も使えるため、友人や知人を指定の時間、自宅に招待することも可能だ。

 顔の特徴量から認証しており、エントランスと各部屋の入室、メール、宅配ボックスでは、セキュリティレベルを変えているとのこと。多数の人が使うエントランスではセキュリティレベルを通常に保つことで、マスクをしていても通過できるが、入室、メール、宅配ボックスではセキュリティレベルを高く保ち、マスクを外す必要があるなど、使い分ける。顔認証端末には、モニタのほか、カメラと赤外線センサーが搭載されており、顔写真などをかざしても解錠はしない。

メール、宅配ボックスも顔認証で該当のボックスが開く
メール、宅配ボックスも顔認証で該当のボックスが開く

 基本的に顔認証を鍵として位置付けるが、希望者にはカードキーを配布する予定。また管理会社が物理キーを保持し、停電時などに対応するという。

 FreeiDは集合住宅のほか、顔認証によるオフィスの入館管理や無人コンビニでの支払いなども見据え、顔情報の共通IDプラットフォーム化を実現。利用者は、一度登録した顔情報を基に、利用者自身が利用を希望するサービスを選択することで顔情報を再度登録することなくサービスを利用できるようになる。

 プロパティエージェントでは、今後、東京都北区王子に60戸規模の顔認証 (FreeiD)導入マンションを企画。同社がこれから手掛けるすべてのマンションに導入していく計画で、顔認証サービスの外販も視野に入れている。

FreeiDは集合住宅のほか、顔認証によるオフィスの入館管理や無人コンビニでの支払いなども見据える
FreeiDは集合住宅のほか、顔認証によるオフィスの入館管理や無人コンビニでの支払いなども見据える

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