Facebook傘下のWhatsAppは米国時間1月15日、プライバシーポリシーのアップデートを延期することを明らかにした。ユーザーの間で懸念が高まり、「Signal」や「Telegram」といった暗号化されるアプリに乗り換える動きもみられていた。WhatsAppは現在、ユーザーが新しいポリシーを確認、同意するための期限を5月15日までとしている。企業のユーザー情報へのアクセスなどに関連するアップデートとなる。
WhatsAppはブログ記事で、「2月8日にアカウントが停止または削除されることはない」とした。「また、WhatsAppにおけるプライバシーとセキュリティの取り扱いに関する誤った情報を正すため、より一層取り組んでいく」(WhatsApp)
WhatsAppは先週、新しいプライバシーポリシーの内容を明確に示し、親会社のFacebookと個人情報を共有することについての懸念に対応するFAQを公開した。このポリシーのアップデートは、友人や家族とのメッセージのプライバシーに影響せず、WhatsAppを介した企業とのやり取りに関連するものだと説明している。また、このアップデートによって「われわれがどのようにデータを収集し、利用するかということについて一層透明性を高める」と述べている。
プライバシー擁護者(そしてElon Musk氏)は、WhatsAppのユーザーに、Signalなどの暗号化されたプラットフォームを利用するよう呼びかけている。WhatsAppは、個人的なメッセージはエンドツーエンドの暗号化によって保護されているとしているが、何年も特定のユーザーデータを収集し、Facebookと共有してきた。Signalとともに安全なメッセージングアプリとして知られるTelegramは12日、月間アクティブユーザー数が5億人を突破し、わずか72時間で世界で2500万人を超える新規ユーザーを獲得したことを明らかにした。
WhatsAppは、同社もFacebookもプライベートなメッセージを見ることはできないとしている。また、ユーザーのメッセージや通話の履歴は記録していないとし、共有されている位置情報を見ることはできず、連絡先情報をFacebookと共有していないと説明している。
WhatsAppは、プライバシーポリシーに基づき、企業に「Facebookからセキュアなホスティングサービスを利用して、顧客とのWhatsAppのチャットを管理し、質問に回答し、購入領収書などの有用な情報を送信する」オプションを提供していると述べている。ユーザーが企業とやり取りすると、企業はユーザーのメッセージを確認し、その情報をマーケティングに利用することができる。これには、Facebookの広告が含まれる可能性もある。WhatsAppは、Facebookのホスティングサービスを利用する企業との会話に、明確にラベルを付与するとしている。
WhatsAppを介してFacebookのコマース機能「Shop」を利用すると、ユーザーのショッピング行動が、FacebookやInstagramで関連する広告を表示するために利用される可能性がある。WhatsAppは、この機能はオプションであり、ユーザーがこれを利用する際には、「ユーザーのデータがどのようにFacebookと共有されるかをアプリ内で通知する」としている。また、Facebookの広告をクリックし、WhatsAppを介して企業にメッセージを送信すると、Facebookはさらなる関連広告を表示できる可能性があるという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス