Appleが新しいノイズキャンセリングヘッドホン「AirPods Max」を発表したとき、多くの人は当然ながら尻込みした。理由は、549ドル(日本では税別6万1800円)という定価、そして奇妙な形の「Smart Case」だ。ところが、意外なことに、米国時間12月8日に先行予約が始まり、12月15日から出荷される初期バッチは、米国では5色すべてが既に完売。スカイブルー、グリーン、ピンクは数時間で在庫が切れ、取り寄せ注文となった。
筆者はシルバーの実機を入手し、少しの間装着して過ごしてみた。世間では需要が供給を上回っているところだが、これほど高い定価に見合う価値が本当にあるのかどうか、答えを出そうと試みた。確かに、大抵の人にとっては高いと言える。以下のレビューは、筆者が1日使ってみたうえでの第一印象にすぎない点に注意してほしい。
開封して最初に気づくのは、300~400ドル(約3万1000円~4万1000円)クラスのヘッドホンとはつくりが違うということだ。そして、実際に音を聴いてみると、確かに音質は圧倒的だと感じる。ハイエンドのヘッドホンにふさわしく、低音は引き締まり、中音域はナチュラル、高音は精彩がある。密閉型ヘッドホンなので臨場感も高い。
しかも、ノイズキャンセリング機能は、筆者が体験したなかでは文句なく最高だ。ソニーの「WH-1000XM4」とBoseの「Noise Cancelling Headphones 700」、そのどちらもわずかに上回る(完全ワイヤレスイヤホンとしては最高クラスのノイズキャンセリング性能を誇る、Boseの「QuietComfort Earbuds」とは、まだ詳しく比較していない)。周囲の音を完全に無音にするわけではないが、ニューヨークの町中に出てみると、トップクラスの消音機能を発揮し、車の音はほとんど聞こえなかった。そして、電話をかけるときのヘッドセットとしても優秀で、特に風音低減の性能が優れている。ほかにも、良い点があった。ヘッドセットモードのときは、自分の声もヘッドホンから聞こえてくるので、自分の声を加減でき、ついつい声が大きくなってしまうのを防ぐことができる。この点は、「AirPods Pro」と同様だ。
気になる点がひとつあるとすれば、AirPods Max本体の重さだろう。約385gというのは、ヘッドホンとしては明らかに重い。比較のためにあげると、ソニーのWH-1000XM4は約254g、BoseのNoise Cancelling Headphones 700は約249gなので、かなりの違いがある。
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