アップル「AirPods Max」実機を体験--6万円超えの価格に見合う価値はあるのか - (page 2)

David Carnoy (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年12月16日 07時30分

 既に述べたとおり、AirPods Maxは、つくりが印象的だ。金属部分が多く、ステンレススチールのフレームとアルミニウムのイヤーカップは、同社の「MacBook」を思わせる。金属が多い分、プラスチックより重くなるわけだ。伸縮アームと回転するヒンジ部も、おしゃれで高級感がある。形状記憶フォームを採用した柔らかいイヤークッションもいい感じで、マグネット式でくっつき、Apple独自の40mm口径ドライバーをカバーしている。イヤークッションはメッシュ生地で、従来のような皮革や人工皮革のイヤーパッドより通気性に優れる。温度や湿度が高い環境でも、耳がむれにくいということだ。イヤークッションは69ドル(6800円)で交換品が販売される。AirPods Max本体のバッテリーも交換は可能だが、こちらはAppleへの依頼が必要になる。

 重量のわりに装着感は良いものの、超快適というほどではない。今より20%くらい軽ければ申し分ないのだが、ヘッドバンドの設計とメッシュのキャノピーのおかげで、頭部への圧迫感はかなり軽減されている。頭が小さい人には、見た目でも装着感でも大きく感じられそうだが、さまざまな頭の形に対応するだろう。

メッシュのキャノピー
メッシュのキャノピー
提供:David Carnoy/CNET

 筆者自身は少し調節して、ヘッドバンドを少しだけ頭部の前寄りにずらした方が、安定感が増して快適に装着できる。頭頂部ちょうどにすると、少なくとも私の頭の場合は、やや落ち着かなくなる。

 コントロール類の完成度は実に高い。ボタンは2つしかなく、どちらも右のイヤーカップ上にある。前方のボタンでノイズキャンセリングモードと外部音取り込みモードを切り替えられ、後者のモードではヘッドホンをしていないときのように周囲の音が聞こえてくる。AirPods Proの外部音取り込みモードと同様、音は自然に聞こえる。もう一方のボタンは、「Apple Watch」のデジタルクラウンを大きくしたもの。音量を調節できるほか、1度押しが音楽の一時停止と、通話の応答および終了、2度押しが曲送りとなっている。動作は滑らかで反応も良いので、寒い季節になっても、タッチボタンがときどき利かなくなるという心配はなさそうだ。ただし、イヤーカップはアルミニウム製なので、触るとかなり冷たく感じる。また、防水性能についてはAppleから公表されていないが、少なくとも、2分ほど雪に降られたくらいでは問題はなかった。

 スペックについては、Appleのウェブサイトにすべて書かれているので、ここで詳しく書くつもりはない。合計9つのマイクがあり、そのうち2つはイヤーカップ内にあって、使用者がどう装着しているか、例えばメガネをかけているかどうかなどを感知する。最後の1つは専用のビームフォーミングマイクで、ほかの2つのマイクと共に通話中の自分の声を拾う。

 頭に装着しているかどうかはセンサーで検出され、ヘッドホンを外したり、首にかけたりするとオーディオが自動的に一時停止する。ソニーやBoseも含めて、この機構を採用しているヘッドホンは多いが、Appleの場合は特にハイテクのようだ。Appleによると、AirPods Maxの左右の各イヤーカップには、光学センサー、ポジションセンサー、ケース検知センサー、加速度センサーがあり、左のイヤーカップにはジャイロスコープがあるのだという。

イヤーカップ内に搭載された光学センサー
イヤーカップ内に搭載された光学センサー
提供:David Carnoy/CNET

 AirPods Proと同じく、AirPods MaxもAppleの「H1」チップを採用しているため、「iOS」デバイスとのペアリングが容易になっている。また、「Siri」の常時聞き取りにも対応しているので、ボタンに触らず音声コマンドでも操作ができる。Appleによると、H1チップは処理能力が高いため、オンボードでアダプティブノイズキャンセリングを処理でき、デジタルミュージックの音質が向上するという。「Android」デバイスともペアリングはできるが、Siriの常時聞き取りや、空間オーディオとヘッドトラッキングによる仮想サラウンド機能など、一部の機能は使えなくなる。

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