アップル「AirPods Max」実機を体験--6万円超えの価格に見合う価値はあるのか - (page 3)

David Carnoy (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年12月16日 07時30分

 バッテリーの持続時間は、ノイズキャンセリングをオンにして最大20時間とかなり良好だが、飛び抜けているわけではない。Lightningポートを使って、10分の充電で90分間の再生が可能だ。個人的には、充電にはUSB-Cを使ってほしかったが、これはちょっとした不満にすぎない。

 もっと大きい不満は、有線で使うときのケーブルが同梱されていない点だ。「Beats Solo Pro」のときもそうだったが、有線で使いたければ、35ドル(3800円)のLightning - 3.5mmケーブルを別途購入しなければならない。航空機内のエンターテインメントシステムにつなぐときなど、有線接続が必要なこともあるだろう。有線でもヘッドホンの音質は変わらないとAppleは説明しているが、有線にすると遅延が発生しない分、ゲームプレイのときには影響することがあるかもしれない。動画を視聴している範囲では、遅延は感じられなかった。

 映画の視聴に使った時間は、あまり長くなかった。前述したとおり、AirPods Proと同じくAirPods Maxにも、空間オーディオとヘッドトラッキングによる仮想サラウンド機能がある。これがうれしい付加機能であることは間違いなく、ソニーやBoseなど競合他社との差別化要因にもなっている。効果はAirPods Proより大きく、仮想サラウンド体験も臨場感がやや強くなるが、おおむねは同じだ。

 付属の保護ケース、Smart Caseについては、どう評価すればいいのか、よく分からない。一番いい点は、ヘッドホンの出し入れが簡単なことで、しかもほとんどかさばらない。ということは、カバンにしまうときも、標準的なハードケースが付属するソニーのWH-1000XM4と比べると、場所を取らないことになる。また、フタの内側にあるマグネットによって、本体が超低電力状態になり、バッテリーを節約できる。ケースにAirPods Max本体を収納したところは、ハンドバッグのようにも、未来的なブラジャーのようにも見えてくる。そういうネタがネット上に出回っているのを、既にご覧になった方もいるだろう。そのくらい奇妙ではあるが、ノリで受けてくれる人もいそうだ。きっと、このケースもサードパーティー製品がいろいろ登場するだろう。

Smart Case
賛否が分かれるSmart Case
提供:David Carnoy/CNET

 AirPods Maxと他社製品で、しばらく聴き比べもしてみた。比較対象はソニーのWH-1000XM4とBoseのNoise Cancelling Headphones 700で、どちらも安くはないが、AirPods Maxと比べれば高くない。前述したとおり、音質もノイズキャンセリング性能もAirPods Maxの方が高い。ソニーとBoseより音の粒が立っており、洗練されたリッチな音質だ。大きな違いではないのだが、全体ではAirPods Maxに軍配が上がる。

 それでもなお、オーバーイヤーヘッドホンとしてはソニーのWH-1000XM4がベストだと言えるのは、(米国の場合)実売価格が300ドルを下回ることが多く、底値では278ドルくらいも見かけるからだ。AirPods Maxと比べると、音質はやや柔らかめではあるが、ワイヤレスのノイズキャンセリングヘッドホンとしては高音質だ(Boseも同様)。しかも軽量で、なかには快適さもこちらの方が上という人もいるだろう。

 AirPods Proも比較対象になる。軽さは圧倒的だ。音質は、AirPods Maxほど高くなく、全体的なクリアさと低音の力強さ(と明瞭さ)に欠けるものの、大多数の人にとっては、高音質の部類に入るだろう。

 それでもなお、ハイエンドの音を求めるという人には、AirPods Maxはお勧めだ。ただし、その場合でも支払うのは定価までにとどめよう。転売価格の600ドル(約6万2000円)以上とか、ましてや850ドル(約8万8000円)など、つり上がった値段で手を出すことはない。定価でもう十分だ。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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