Facebookの最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏は、Cambridge Analyticaのスキャンダルが浮上してから2カ月後に英国の閣僚と秘密裏に会談し、同国への投資を減らす可能性があるとして圧力をかけていたことが明らかになった。Zuckerberg氏は2018年5月、当時デジタル担当相だったMatt Hancock氏(のちの保健相)と、パリで開催されたVivaTechカンファレンスで会合した。
英国の非営利報道機関Bureau of Investigative Journalismは現地時間12月8日、両氏の会談内容を明かす記事を掲載した。同メディアは、2018年11月に情報の自由に基づく開示請求を英国政府のデジタル・文化・メディア・スポーツ省に出して以来、2年にわたり同省と闘ってきた。英国のデータプライバシー監視機関である情報コミッショナー事務局(ICO)による介入の後、会談の議事録が一部黒塗りで開示された。
会談が行われた2018年5月当時、英国はZuckerberg氏に対し、特別委員会の聴聞会でCambridge Analyticaについて証言するよう求めていた。Hancock氏は会合の数日前、FacebookのCEOが議員らとの会議から逃げていると公然と非難していた。この議事録には、Zuckerberg氏が「数日間の論争の後」ようやく会合に同意した経緯が記されている。同氏は英国政府から、今後聴聞会に出席するよう圧力をかけるつもりはないと説得されていた。
議事録によると、会合は「敵意を秘めた雰囲気」で始まったというが、「前向き」な話し合いになり、英国の「メッセージがうまく伝わった」と締めくくられている。
The note of the meeting between Mark Zuckerburg & Matt Hancock in May 2018, 2 months after the Cambridge Analytica scandal, and published today by @TBIJ shows Facebook didn’t like the @CommonsDCMS inquiry I chaired & that Mark Zuckerberg was determined not to appear as a witness pic.twitter.com/0GdQDKmfxi
— Damian Collins (@DamianCollins) December 8, 2020
Facebookは英国に大きな拠点を構えているが、Zuckerberg氏はこの会合で、資金を欧州の別の国に移すと圧力をかけた。議事録によると、「MZ(Mark Zuckerberg氏)は、英国は同社にとって欧州における明白な投資先だが、現在は他所を探すことを検討中だと述べた」という。
議事録は、Zuckerberg氏がどの投資について言及しているのか具体的に示していない。しかし2カ月後の2018年7月、Facebookはロンドンのオフィス面積を2倍に拡大し、5万6000平方メートルのスペースを新たに確保すると発表した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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