トランプ大統領はまだ敗北を認めていないが、政権移行は始まりつつある。米国は国家の1つではあるが、世界中の政治・経済・安全保障に影響を与える存在であり、その政権がどんな政策を採るのか、各分野で注目が集まっている。
特にAppleはトランプ政権について、経済、特に税金の面ではメリットを受けていたし、米国内の先端製造業ファンドの創設など、結果として競争力が高まる施策を採ることにもつながった「圧力」もあった。しかし環境政策や対中強靱姿勢では、逆風だったと評価できる。
トランプ大統領は「iPhoneを米国製にする」という象徴的な公約を掲げてきたが、Appleは依然として、中国を中心としたサプライチェーンを構築しており、米国の工場でiPhoneが組み立てられることはなかった。さらに言えば、先代は米国内で製造していたMac Proも、米国外での製造へとシフトした。
引き続き、製造や消費の面で中国への依存度が下がらないAppleだが、変化も見えてきた。これまで、AirPodsなどの一部の製品を製造してきたが、iPadやMacBookといった製品の組み立ても、中国からベトナムに移す計画だという。Appleから製品の組み立てを請け負うFoxconnは、2021年前半までに稼動させる計画で、2億7000万ドルを投資し、これら製造の3割を移す計画だ。
トランプ政権の関税による中国への圧力は、結果的に米国内で消費される米国企業の製品の価格を上昇させるとして批判されていた。その一方で、中国の通信企業に対する圧力は、オバマ政権の頃から取り組まれてきたことであり、政権が変わっても、製造業や通信で中国が台頭することを、米国そのものが快く思っていない姿勢は変わらない。
しかしだからといって、Appleが米国での製造へと移行することとは話が違う。サプライチェーンの大幅な変更と、製造コストの増大を最小限に抑えるなら、アジア圏への移転以外に考えにくいのが実際だ。
「iPad」と「MacBook」の生産、中国からベトナムに一部移管か(11/27)BCNは、11月第3週の国内デスクトップPC市場でAppleが、メーカー別販売数のシェアでトップに躍り出たことを明らかにした。家電量販店やネットショップの実売データ「BCNランキング」での集計で、Apple Storeでの直販は含まれない。
これまでのPC市場は、首位富士通、2位NEC、3位Apple、4位Lenovoという順位で推移してきた。Appleが11月17日にM1搭載のMac miniを発売したところ、週間のシェアで27.1%を確保した。価格の安さと性能の高さが話題となっており、Mac買い換え、あるいは新規購入のきっかけを与えていると見ることができる。
コンピュータとしての性能に加え、機械学習処理に長けたワークステーションとしても、先週Googleが、人気の機械学習プラットホームTensorFlowのM1チップへの最適化させたことでも高まっている。用途の拡大や、特定の業種で強い支持を集めるコンピュータとしての存在感を増す可能性がある。
なお、M1搭載Mac miniには、Bluetoothの不具合が存在している点がユーザーから報告されている。
M1搭載「Mac mini」、Bluetooth接続に問題との報告(11/27)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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