欧州議会は現地時間11月25日、消費者の「修理する権利」を支持する規則案を、賛成395票、反対94票、棄権207票で採択した。
この結果は、欧州連合(EU)圏の電気電子機器廃棄物(e-waste)を削減するために、電子機器の耐久性を強化して寿命を延長するという欧州委員会の広い目標を支持するものだ。
欧州委は3月、PC、スマートフォン、タブレットなどの民生製品を修理する権利や、持続可能性、エネルギー効率、リサイクル適性を念頭に電子機器を設計することを求める規則案など、複数の提案を提示した。
これらの施策は、欧州委の循環型経済行動計画(Circular Economy Action Plan)の一環として提案された。この計画は、「地球から奪う以上のものを地球に返し、資源消費を地球の限界(プラネタリーバウンダリー)の範囲内に収めるという目標に向かって前進し、消費フットプリントの削減に努めることを目的とした、再生型の成長モデル」を構築するためのフレームワークだ。
修理する権利について欧州委は、より持続可能な経済を確立するために、「消費者に権利を与え、コスト削減の機会を提供する」ことが重要だとしている。
欧州の企業や団体は、「修理する権利をできる限り主流かつ包括的なものにする」ことを目指す「Right to Repair」(修理する権利)運動に取り組んでいる。これにはECOS、欧州環境事務局(EEB)、iFixit Europeなどが参加している。
今回の投票では、消費者の「修理する権利」を法律として義務付けることまでは、まだ採択されていない。しかし、EUが2021年までにより持続可能な変更をテクノロジー市場にもたらすというスケジュールを守ることができれば、新しい製品を買うのではなく今のものを修理したい消費者には朗報となるだろう。
Appleは8月、独立系修理プロバイダープログラム(Independent Repair Provider Program)を拡大し、独立系業者が「iPhone」だけでなく「Mac」シリーズの修理に必要なツールやリソースにもアクセスできるようにした。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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