CNET Japanの編集記者が気になったサービスや話題のトピックなどを、独自の視点で紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームを中心としたエンターテイメント領域を取材している佐藤が担当。今回は、「変なホテルとアイドルマスター」におけるメディア向け客室内覧会の様子をお届けしたい。
これは、アイドルマスターを展開するバンダイナムコエンターテインメントと、変なホテルを運営するH.I.S.ホテルホ-ルディングスとの共同事業として実施されるもの。バンダイナムコエンターテインメントがホテル1棟をまるごとプロデュースする形で、2021年1月14日~2月15日の約1カ月間、「変なホテル東京 浅草田原町」の全客室を「アイドルマスタールーム」とするもの。ほかにもロビーや屋上テラス、レストランに至るまで、アイドルマスターでホテル内を彩るという。変なホテルと特定のコンテンツとの取り組み、そしてアイドルマスターと特定のホテルとの取り組みは、いずれも初の試みとなっている。
変なホテルは、世界初のロボットが働くホテルとしてギネス認定されるなど、接客や掃除などこれまで人が担っていた作業をロボットが担当するという、一風変わったホテルとして知られている。2015年に、長崎県にあるテーマパーク「ハウステンボス」内で1号店がオープンしたのを皮切りに、全国へ店舗を展開。変なホテルは「変わったホテル」という意味ではなく、「変わり続けることを約束するホテル」の意味であり、ロボットをはじめとしてさまざまな先端技術が取り入れられている施設にもなっている。別店舗であり設備なども異なるが、いくつか弊誌でも取材を行っているので参照していただきたい。
日本で2店舗目、ロボットが働くホテル「変なホテル舞浜東京ベイ」を写真で紹介(2017年5月26日掲載)
「変なホテル」、ロボット従業員リストラ後に「ロボホン」を採用(2019年6月20日掲載)
奈良に「変なホテル」が10月オープン--関西初の「光のホログラム」で非対面チェックイン(2020年9月28日掲載)
今回の変なホテル東京 浅草田原町では世界初とうたう、変なホテルとして初めて「光のホログラム」を導入したチェックインカウンターが設けられているのを特徴としている。ホログラムとして映し出された人物や恐竜が、操作にあわせてリアクションをするようになっている。その後関西で初めて導入した変なホテル 奈良の内覧会時に、ホログラムのメリットを“入れ替えが自在にできる”としており、それがコラボ施策で生きる形にもなっている。
今回は客室の内覧ということでお目にはかかれなかったが、期間中は光のホログラムでアイドルたちが登場。そのアイドルに応じた案内が用意されているという。やはりアイドルたちが受付として出迎えてくれるのは、“プロデューサーさん”(※アイドルマスターシリーズのファンのこと)として嬉しいところだろう。
今回公開された客室は、ツインとコーナースイートの2タイプ。客室内では壁に「アイドルマスター」、「アイドルマスターシンデレラガールズ」、「アイドルマスターミリオンライブ!」、「アイドルマスターSideM」、「アイドルマスターシャイニーカラーズ」の5ブランドにおける、アイドル3人ずつが描かれたパネルを設置している。また客室内のテレビでは、アニメやオリジナル映像も用意しているという。
そしてベッドスローとピローケースには、アイドルマスターシリーズ15周年記念ロゴが描かれ、さらによく見ると、5ブランドのロゴマークも薄くあしらわれている。
また、5室のみとなっているコーナースイートでは、東京スカイツリーが一望できる客室となっており、期間中ではアイドルたちと一緒に写真で収めることができるような形でパネルが設置されるという。
部屋によって多少配置が異なる部分もあるが、基本的にはこの形式、そして雰囲気で客室が用意される。キャラクターコンテンツのコラボルームとしては落ち着いた雰囲気となっているが、これは利用するプロデューサーさんの年齢層を考慮したものとの説明があり、世界観にひたりつつもゆったりと過ごせるようにしたものという。
今回の企画について、もともとバンダイナムコエンターテインメント側として、アイドルマスター15周年の盛り上げもさることながら、ゲームに閉じない楽しい時間や空間の提供を目的とした、ライフエンターテインメント事業を積極的に推進。そしてH.I.S.ホテルホ-ルディングス側としても新型コロナウィルスの影響を大きく受けている環境下ではあるが、逆に平時では難しかった、1棟まるごとコラボという思い切った施策ができる状況にあったことも背景と説明。過去には「テイルズ オブ ツアー」などにおいてH.I.S.と取り組んだこともあることから、どちらか一方からの打診ということではなく、両社の関係から発展させたなかで実現した施策としている。
ちなみに、今回取材した時間帯は昼だったが、夜間になるとコーナースイートから見える東京スカイツリーがライトアップされ、よりいい景色になるとの説明もあった。視界にアイドルと並んで東京スカイツリーがあるという光景を見るのもたまらないものがあるだろう。もちろん、パネルに描かれた天海春香、如月千早、星井美希ももちろん魅力的なのだが、例えば……、無邪気で他愛のないイタズラが好きな双子のアイドルとか……、元気いっぱいで「せんせぇ」と呼んでくれるアイドルとか……、田舎から上京してきて方言のある喋り方が特徴の北海道出身アイドルとか……、ポップでハッピーな3人組ユニットのひとりでお姉さん的な立ち位置のアイドルとか……、いっそのこと、この5人が描かれたパネルだったら……と、ごく個人的な願望を頭の片隅で思いつつ写真撮影をしていたことは、余談として付記しておきたい。
予約は10月30日から開始されており、宿泊プランには限定グッズ付きのものも用意されている。変なホテル東京 浅草田原町のサイトを通じて予約を受け付けているほか、旅行代理店各社でも順次取り扱いを始めるという。
(C)窪岡俊之 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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