カリフォルニア州の有権者による投票で、米国時間11月3日、消費者のプライバシー保護強化を目指した発案が賛成多数で可決された。州務長官が公開した非公式の選挙結果報告書で明らかになった。「Proposition 24」と呼ばれるこの発案の提案者によれば、この発案は現在のプライバシー関連州法に存在する抜け穴をふさぐことを目指したものだという。これまではこの抜け穴の存在によって、たとえユーザーがオプトアウトしていた場合でも、大手IT系企業はユーザーデータを利用したターゲティング広告の表示が可能になっていた。
この発案を提出したのは、Alastair Mactaggart氏と同氏が運営する権利擁護団体Californians for Consumer Privacyだ。
この発案が可決されたことで今後、消費者はデータ収集を確実にオプトアウトすることが可能になり、これは利益を上げるためにデータ収集を必要としないビジネスモデルを掲げる企業の支援にもつながると、Mactaggart氏はインタビューで語った。今後はこうした企業が「広範なトラッキングをビジネスモデルとする企業を駆逐する」ようになるだろうとの見方を、同氏は示した。
ただし、この発案には、対策が十分とはいえないというプライバシー擁護派からの批判もある。安くオンラインサービスを利用できることと引き換えに、低所得の消費者が企業の個人データ収集を容認せざるを得なくなる規制が盛り込まれているというのが、こうした人たちが指摘する問題点だ。一方、中小企業の団体からは、新しい規制は、新型コロナウイルスのパンデミックによる経済的損失からの回復に今も苦労している中小企業にとって負担が大きすぎるとの声が上がっている。
Proposition 24では、プライバシー法を執行する新たな州政府機関を設立するよう定めている。現在、こうした業務を行っているのは、カリフォルニア州司法局だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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