UberやLyftなどのギグエコノミー企業が支持した発案「Proposition 22」は、米国時間11月3日に行われたカリフォルニア州の住民投票により、賛成多数で可決された。この発案は、ギグエコノミー企業が自社のサービスで働くドライバーを従業員とせず、個人事業主と位置付けられるようにすることを目的としている。この発案をめぐっては1年にわたる戦いが繰り広げられており、その間、数億ドル単位の資金がつぎ込まれ、政治的戦略のあらゆる手段が駆使された。
シリコンバレーのテクノロジー系大手企業が本拠を構えるカリフォルニア州の動向を、他の州も注視していることから、Proposition 22の余波は全米に及ぶ可能性が高い。仮にProposition 22が否決されていたら、これらの企業はビジネスモデルの再考を迫られていただろう。今回、住民投票で賛成票が多数だったことから、企業側は他の州や国で行っている同じような争いでも、今回の住民投票キャンペーンに倣うことが可能になる。
早い時期の世論調査では、Proposition 22に賛成が投票者の46%、反対が42%、未定が12%でかなりの接戦になっていた。なお、この発案が可決されるには、賛成票が全体の50%に達する必要があった。カリフォルニア州務長官局によると、11月4日午前の時点で賛成票の割合が58%に達したことから、この発案は可決の見通しとなった。
投票日前日の2日になってUberが100万ドルを追加投入するなど、Uber、Lyft、DoorDash、Instacart、Postmatesはこの住民投票キャンペーンに2億500万ドル以上(約210億円)をつぎ込んだ。一方、発案に反対する「No on Prop 22」も、労働者団体や労働組合から約1900万ドル(約20億円)の金銭的支援を受けていた。Ballotpediaによると、Proposition 22はカリフォルニア州史上最も多額の資金が投じられた住民投票キャンペーンであり、米国全体の過去の事例と比較しても屈指の高額に達しているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」