Netflixが、米国で月額料金を値上げしている。米国時間10月29日より、最も人気が高い「スタンダード」プランは、1ドル値上げして月額13.99ドル(約1500円)、4K画質で視聴できる「プレミアム」プランは、2ドル値上げして月額17.99ドル(約1900円)となった。
「ベーシック」プランの月額料金は変わらず、8.99ドル(約1000円)だ。
既存のユーザーに、新料金がすぐ適用されるわけではない。スタンダードプランまたはプレミアムプランに既に加入しているユーザーには、それぞれの支払日に応じて料金が上がる30日前に電子メールとアプリの通知が届く。Netflixにこれから加入する場合、新料金が適用される。
投資家やアナリストは、2020年あるいは2021年に料金が引き上げられると広く予想していた。Netflixは10月に入り、カナダで値上げを実施している。Netflixは、ほぼ2年ごとに値上げを実施している。米国では前回、2019年初頭に値上げされていた。
Netflixの広報担当者は、「われわれは、これまで以上に多くのエンターテインメントの選択肢があることを理解している。そして、当社の加入者にさらに優れた体験を提供するために全力を注いでいる」と述べた。「秋の素晴らしいラインアップに加えて、さらに多様なテレビ番組や映画を提供していけるよう、価格を改定している。これまでどおり、ユーザーが自分の予算に合った料金を選択できるよう、複数のプランを提供する」(Netflix)
Netflixは、170億ドル(約1兆8000億円)ものコンテンツ予算を有している。新型コロナウイルスの影響で映画やテレビ番組の制作が世界中で中断される中、Netflixが2020年にリリースした一連の番組は、計画どおりに進行する見通しだという。2021年には、2020年よりもさらに多くの映画や番組を公開する予定だ。
ストリーミング戦争とされたこの1年ほどで、数多くの競合する新しい配信サービスが、大手メディアやハイテク企業によって提供開始された。「HBO Max」やNBCUniversalの「Peacock」、「Disney+」など、新しい競合サービスは、無料プランから月額15ドル(約1600円)のプランまで、さまざまな料金体系で提供されている。
しかし、バックカタログの規模や、新しい番組や映画の公開頻度から、Netflixは新しい競合サービスを圧倒しており、一部のアナリストからは、Netflixの料金は安すぎるとの見方もあるようだ。
新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、2020年に入ってNetflixの加入者数は増加した。世界中でロックダウンが実施され、自宅待機を余儀なくされた人々の娯楽の選択肢が減ってしまったためだ。Netflixが予想していたとおり、この増加は数カ月で著しく減速している。後の時期に加入する予定だった人が、ロックダウン期間中に前倒しで加入しただけだとNetflixは想定していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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