ワイヤレス給電が普及し、スマートフォンやスマートウォッチを充電台に置いて充電することが当たり前になった。ただし、一般的なQi規格に対応した充電台は、スマートフォンなどを適切な位置へ置かないと充電がうまくできない。
これに対し、Appleは箱型をした充電器の内側にデバイスを置けば、位置に左右されず充電できる技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間10月27日に「TRANSMITTER FOR INDUCTIVE POWER TRANSFER SYSTEM」(特許番号「US 10,818,430 B2」)として登録された。出願日は2015年9月22日、公開日は2017年10月19日(公開特許番号「US 2017/0301462 A1」)。
この特許は、底面とそれを囲む側面で構成された箱状の無線充電器を実現する技術に関したもの。側面内部にはコイルが組み込まれていて、電磁誘導を利用して箱内部のデバイスへワイヤレス給電できる。これにより、箱の内部へ置いたスマートフォンなどを無線充電する仕組みだ。
底面の形状は円形でも長方形でも構わない。ただし、クレーム(請求項)では、側面に配置するコイルの密度を底面からの高さに応じて変える構造を規定している。底面からある程度の高さまでは密度を徐々に下げ、ある程度の高さ以上は逆に密度を上げるという。このようにコイルを配置することで、箱の形状に応じて給電強度の分布を適切に設定できる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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