スーパーマーケットのようにさまざまな競合商品が数多く並んでいる店では、どの商品を買うか決めるのに悩むことがある。価格面でどれが最適なのか、避けるべきアレルゲンが含まれていないか、環境保護に配慮しているかどうか、ユーザーの評価は高いのかなど、比較する指標は多く、小さな商品パッケージからの情報だけでは物足りない。
そこでAppleは、商品を画像認識して競合商品と簡単に比較できる技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間10月22日に「PRODUCT COMPARISON TECHNIQUES」(公開特許番号「US 2020/0334731 A1」)として公開された。出願日は2020年4月8日。
この特許は、カメラなどの画像センサーで取得した情報にもとづき、2種類ある商品のどちらを選ぶか決めるのに役立つデータをディスプレイに表示する技術を説明したもの。たとえば、瓶入りイチゴジャムを買う際、店頭で陳列されているジャムの瓶をセンサーで捉え、1つ目の瓶を比較対象となる2つ目の瓶に近づけると、両者を比べるための情報が表示される。これにより、この情報を参考にして購入するジャムを決める、というデバイスが実現できる。
デバイスの具体的な種類について、Appleはクレーム(請求項)で言及していない。あくまでも画像センサーやディスプレイ、プロセッサなどを搭載したデバイスであり、実施例の説明ではクレームの条件を満たすスマートフォンやタブレット、PC、スマートグラスのようなヘッドアップディスプレイ(HUD)、ヘッドホン、イヤホンなどに適用可能としている。
表示する情報としては、価格や機能、内容物、アレルゲン、使用方法、環境負荷、ユーザー評価などが考えられる。また、食品と家電品といったジャンル違いで比較できない商品を画像センサーで捉えた場合は、情報を表示しなかったり、比較できないとの警告メッセージを表示したりする。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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