ソニーは10月16日、裸眼で3DCG映像の立体視ができる全く新しいディスプレイ「Spatial Reality Display (空間再現ディスプレイ)ELF-SR1」を発表した。15.6インチサイズで、解像度は3840×2160ピクセル。触れられそうな高精細の立体ディスプレイを実現した。発売は10月31日。映画やゲームや車、建築などコンテンツクリエーター向けに提供する。想定価格は50万円前後。
空間再現ディスプレイは、高速ビジョンセンサーにより視線位置を認識し、パネルの全画素を一人に占有描画することで、裸眼での立体視ができる「視線認識型マイクロオプティカルレンズ方式」を採用。ディスプレイの前に座ると、中央部の高速ビジョンセンサーが視線位置をごくわずかな時間で読み取り、その人に合わせた立体視を作り出す。
従来の裸眼立体視ディスプレイは、1枚のパネル内で複数視点分、映像を分割して表示する「バリア方式」などが採用されており、分割数分、解像感が落ちてしまう。これにより、スムーズにつながる映像になりにくく、明るさ、コントラストともに不足するという結果になっていたという。
今回採用された視線認識型マイクロオプティカルレンズ方式は、高い精細感が得られる代わり、視聴は1人に制限されており、視線位置の確認が必要になる。2.1chスピーカーを搭載したディスプレイ部のほか、トップバー、サイドパネル、ボトムステージなど、オプションパーツを同梱しており、ディスプレイ全体を囲うことで、より没入感が得られる。
メガネなどの特別な機器を装着することなく、裸眼のまま、立体コンテンツを視聴できるため、疲れづらく、快適な状態で作業ができることがメリット。高画質なコンテンツを視聴し続けられる。
開発、再生用PCと組み合わせて使うため、ディスプレイ部は高さ232mm×幅383mm×奥行き231mmで、重量4.6kgとコンパクト。ゲームエンジンのコンテンツを変換して、ディスプレイに3Dで表示することが可能。UnityとUNREAL ENGINE4に対応した専用のSDKも用意する。コンテンツは、用意した3DCGデータを、ゲームエンジンで読み込み、SDKを使ってアプリ化することで立体表示する。
PCについては、CPUがIntel i7-9700以上(8コア以上)、GPUがGeForce RTX2070 Super以上、16GB以上のメモリを推奨動作環境としている。
キーボードと連動し、車の色を変えたり、上下左右キーを操作することで、輪切りの状態が見えたりとインタラクティブ性のあるコンテンツも立体コンテンツとして見ることが可能。上から覗き込むことで、ゴミ箱に入っているゴミが確認できるなど、立体ディスプレイならではの視聴体験ができる。
15.6インチの画面サイズは、クリエーターの一般的な作業モニターであるノートPCと同サイズを想定し、作成したとのこと。技術的にはさらなる大画面化や小型化にも対応するとしている。
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