YouTubeの動画レコメンデーションシステムは、ユーザーをさらなる偽情報や過激思想に導くとして繰り返し批判されている。ウェブブラウザー「Firefox」を開発する非営利組織MozillaがYouTubeのアルゴリズムの仕組みを調査するために、ユーザーの協力を仰いでいる。
Mozillaは米国時間9月17日にプロジェクトを発表し、YouTubeのおすすめ動画に関する情報をMozillaの研究者らに提供するツールをダウンロードするよう、ユーザーに呼び掛けた。
YouTubeのアルゴリズムはおすすめ動画を選定し、画面右側の「次の動画」、コンテンツが終了した後の動画プレーヤーの中、同サイトのホームページに表示する。おすすめ動画は各ユーザーに合わせて、視聴履歴や登録チャンネル、現在地などを考慮して選定される。視聴しているバンドの別のライブパフォーマンスなど、適切なおすすめ動画が表示される場合もあるが、医療関連の偽情報や陰謀論など過激なコンテンツに視聴者を導く場合もあるとして、批判されている。
Mozillaのプロジェクトに参加するには、FirefoxまたはGoogleのブラウザーである「Chrome」に、拡張機能「RegretsReporter」をインストールする必要がある。これにより、有害だと思う動画にフラグを付けてMozillaの研究者らに報告することができる。
ユーザーは、何が推奨されてその動画にたどり着いたかなど、関連すると思う任意の情報を記述し、レポートに添えることが可能だ。拡張機能は、ユーザーがどれだけの時間YouTubeを使用していたかというデータを自動的に収集する。Mozillaは、どのような行動パターンが問題のあるおすすめ動画につながるかについて、知見を得たいとしている。
YouTubeの広報担当であるFarshad Shadloo氏は、「当社はこれらのシステムに関する調査に常に関心を持っており、研究者とさらに密に連携する方法を模索している」と述べつつ、「しかし、実例から広範な結論を導き出すのは困難であり、当社はユーザー体験を改善するためにレコメンデーションシステムを継続的にアップデートしている」とした。
同氏によると、YouTubeはレコメンデーションシステムに対し、ポリシーやその実行に関して過去1年で30以上のアップデートを加えたという。さらに医療関連の偽情報や陰謀論のコンテンツにも対処している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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