ソフトバンクはなぜ、わずか4年で「Arm」を手放したのか--買収するNVIDIAの思惑は? - (page 3)

Armの「中立性」は維持されるのか

 では一方のNVIDIAは、なぜArmを買収するに至ったのだろうか。プレスブリーフィングの内容を確認すると、NVIDIAの大きな目的はIP(知的財産)のポートフォリオを拡大し、ライセンスビジネスを強化することのようだ。

 Armは半導体の設計を手がけ、それを他社にライセンスすることで収益を得ている企業である。そのArmのエコシステムを活用し、NVIDIAが持つGPUやAI技術のライセンスを拡大していくことが狙いとなるようだ。

Armは半導体の設計を半導体メーカーにライセンスするビジネスモデルを取っているが、それを活用してNVIDIAのAI技術などのライセンスを進めるのが買収の狙いとなるようだ
Armは半導体の設計を半導体メーカーにライセンスするビジネスモデルを取っているが、それを活用してNVIDIAのAI技術などのライセンスを進めるのが買収の狙いとなるようだ

 また、NVIDIAはGPU、さらにはそれを活用したクラウドを主体としたAI関連の技術に強みを持つ。一方でArmは、スマートフォンやIoT機器のCPU設計を多く手がけるなど、エッジデバイスに関する部分の技術に強みを持つことから、両者は相互補完関係にもある。特にNVIDIAにとっては、Armの買収によって保有するIPを増やすことにより、競争上優位に立つことを狙っている部分もあるだろう。

 ただし、今回の買収は他社からしてみれば、Armが特定の半導体メーカーの傘下に入ったことで、設計やライセンスなどさまざまな面でArmの中立性が維持されなくなる懸念が出てきたことにもなる。特にArmからライセンスを受けているクアルコムやメディアテックなどの企業にとって、その影響は小さくないだろう。

 そうしたことから、ジェンスン氏は「オープンなライセンスモデルと顧客の中立性を維持し、世界中のあらゆる業界の顧客にサービスを提供する」と話すなど、Armの独立性を維持することを強調していた。慎重な対応をしなければ顧客離れにつながる可能性もあるだけに、NVIDIA側がいかにArmをコントロールしながら相互に業績を上げられるかは、今後大いに注目されるところだろう。

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