中国の字節跳動(バイトダンス)が、同社傘下の人気動画共有サービス「TikTok」の米国市場におけるパートナーとしてOracleを選択した。米政府による同アプリ禁止の期限が迫る中での決断だった。
Oracleは米国時間9月14日の声明で、バイトダンスが米財務省に提出した提案に同社が含まれていることを認めた。これは、Steven Mnuchin米財務長官が同日CNBCに対して、米政府が今週、バイトダンスとOracleとの提携を審査する予定であると語ったことを受けての動きだった。
Oracleは、今回の提携の詳細を明らかにしていないが、事情をよく知るある人物はこの提携について、TikTokユーザーのニーズに応えるとともに米国の国家安全保障上の懸念も解消するものと述べた。またTikTokの広報担当者も、同社が国家安全保障上の懸念を解消すると考える提案を米財務省に提出したことを認めた。
The Wall Street Journal(WSJ)は、両社の取引について、バイトダンスがTikTokの米国事業をOracleに売却するわけではないと報じていた。また取引成立には、米政府から承認を得る必要がある。さらに、中国国営テレビ局のCGTNは13日、「CGTNが情報筋らから聞いた話では、バイトダンスはTikTokの米国事業をOracleにも売却しない」と報じ、中国政府からの承認がまだ得られていない可能性を示唆していた。
TikTokをめぐっては、Donald Trump米大統領が8月上旬に、国家安全保障上の懸念を理由に、米国企業に売却しなければTikTokを禁止する意向を発表。8月6日には、その意向を正式に進めるための大統領令が発出した。さらに、その後に出された大統領令では、11月12日までにTikTokを売却することをバイトダンスに求めた。
9月上旬には、買収交渉が合意に近づいているとの報道も流れていた、ただし複数の障害が残っていた。バイトダンスは、TikTokの最大の資産である人工知能(AI)駆動のアルゴリズムは売却対象に含めないと述べたと、South China Morning Postが報じていた。また、中国政府は8月下旬に、機密技術を含めるように同国の輸出管理規制を更新し、これによってバイトダンスは、米国とのいかなる取引についても中国政府の承認が必要になる可能性が高くなった。CGTNの13日の記事で明らかになったこうした潜在的な障害に、バイトダンスとOracleの提携がどのように対処するつもりなのかは明らかではない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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