AppleとGoogleは、新型コロナウイルス感染症を対象とする両社の濃厚接触通知システムを公衆衛生当局がより利用しやすくなるよう、新たな選択肢として「Exposure Notifications Express」を発表した。当局がアプリを独自開発しなくても、感染の追跡とアラート送信が可能になる。
ユーザーは、現地の公衆衛生当局が開発したアプリをダウンロードすることなく、AppleとGoogleの通知システムを利用できるようになる。これにより、当局に負担を強いることなく、システムの利用拡大が見込めると両社は述べた。一部の当局から、アプリを開発するリソースがないとの声があったという。
AppleとGoogleは声明で、「アプリの開発や保守を要することなく、Exposure Notifications System(濃厚接触の可能性を通知するシステム)をより容易かつ迅速に導入できるようにする」と述べた。両社によると、カナダなど独自のアプリを開発した公衆衛生当局のサポートは継続する。今回の新システムはアプリの開発が困難な当局を支援するために用意したという。「Exposure Notifications Expressは、ユーザーのプライバシーとセキュリティというプロジェクトの中核理念を妥協することなく、公衆衛生当局が現在実施している接触追跡を技術で補完するための新たな選択肢を提供する」
「iPhone」ユーザーは設定で同機能を有効にすることにより、接触通知を受けられるようになる。
「Android」搭載スマートフォンの場合、Googleが用意したアプリをダウンロードすることになる。当局がアプリの開発や保守をする必要はない。ユーザーにとっては手間がかかるが、Googleの広報担当者によると、できる限り多くの種類のAndroid搭載ハードウェアに同ツールを提供するには、これが最適の方法だと同社は判断しているという。
新型コロナウイルスの感染拡大がより鮮明になった春頃、共同の取り組みを開始したAppleとGoogleにとって、今回の動きは軌道修正と言えそうだ。ジョンズホプキンズ大学が集計したデータによると、9月1日時点の累計で、全世界で2500万人以上がコロナウイルスに感染し、85万1000人以上が死亡したという。感染拡大が続く中、AppleとGoogleのプロジェクトは利用の拡大に苦戦してきた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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