新型コロナウイルスの世界的流行によって、子供たちが家で過ごす時間は増え続けている。そのような中、Googleは子供向けコンテンツを集めたタブレット用の新しいモードを米国時間8月31日に発表した。
この「Kids Space(キッズスペース)」モードでは、アプリ、動画、書籍をキュレーションして子供たちに紹介する。アプリには、Googleが4月に開始したプログラムによって「teacher approved」(教師推奨)という認証バッジが付けられる。Googleと提携する教師らがコンテンツを評価し、アプリを選定する。評価基準は、年齢に適しているか、学習的か、前向きな内容かなど。一方、動画はGoogleの巨大動画サイト「YouTube」の子供向けバージョンである「YouTube Kids」から選ばれる。書籍については、Googleが出版社と協力して米国だけでも400冊以上を無料で提供するという。
Kids Spaceは子供を対象とし、GoogleのモバイルOS「Android」を搭載したタブレットでのみ利用できる。Appleの「iPad」では利用できない。まずは、中国のレノボが31日に発表した「Lenovo Tab M10 HD Gen 2」など、同社の一部のタブレットで提供される。
Kids Spaceのコンテンツは各ユーザーに合わせてカスタマイズされるが、このサービスから得たデータが子供を対象した広告のターゲティングに利用されることはないと、Googleで子供と家族のユーザーエクスペリエンス担当ディレクターを務めるMindy Brooks氏はインタビューで述べている。
それでも、今回の発表は、Googleがすでに子供たちの生活に入り込みすぎているとして同社に批判的な人たちの懸念を引き起こす可能性がある。GoogleとYouTubeは、以前から子供向けコンテンツの取り扱いについて批判されてきた。2019年9月には、過去最高額となる1億7000万ドル(約180億円)の制裁金を支払い、新たな規制を受け入れるよう米連邦取引委員会(FTC)から命じられている。これは、YouTubeが連邦政府の児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反したことに対する措置だ。これを受けてYouTubeは、視聴データの収集を制限するなど、子供向け動画の取り扱いに大きな変更を加えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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