落書きに魂宿す「らくがきAR」を開発--異色の“クリエイティブよろずや”の正体とは - (page 3)

鈴木光平 山川晶之 (編集部)2020年11月26日 09時00分
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カテゴリーに縛られず、世の中が楽しめるものを作り続けたい

――今年は新型コロナウイルスの感染拡大と切っても切り離せませんが、Whateverにはどのようなインパクトを与えましたか。

富永氏:コロナの影響を分かりやすくいうなら、3カ月間で2億8000万円分の仕事がなくなりました。3月の時点で仕事がなくなることは予測できていたので、リアル系の案件は諦めて、得意なオンラインの仕事を増やす方向に切り替えましたね。いずれにしても仕事は減って時間ができたので、withコロナの時代を明るくできる自社プロダクトを作ろうと思いました。

川村氏:その一つがリモートワーク用部屋着のWFH Jammiesです。胸から上はシャツで、胸から下はスウェットになっているので、リラックスしながらオンラインミーティングに参加できます。

 このプロジェクトは、弊社デザイナーの「奥さんがミーティングの度に化粧して着替えているのがかわいそう」という着想から作ったプロダクトです。一見、ネタアイテムのようにも見えますが、服としてちゃんと着心地も追求した素材と作りになっていて、たくさんの反響をいただきました。大変な時期だからこそ、アイディアで世の中を明るくできたんじゃないかなと思います。

――新しい生活様式を支えるプロダクトも作っているのですね。

富永氏:コロナ禍で外に出られない時期が続くので、非対面だけど対面できるようなサービスも作っています。例えば「Robot Viewing(ロボットビューイング)」は、会場に置いたロボットを自宅から操作することでイベントを楽しむサービスです。美術館に置かれているロボットを予約し、時間になったら操作することで美術品を鑑賞できます。最大で5人まで同時にログインでき、チャットや音声で会話しながら美術館の雰囲気を楽しめます。

 実はこのサービスは、コロナ以前からプロトタイピングはあったのですが、コロナの影響で一気に完成まで進みました。仕事が減って大変な一面もありますが、新しいニーズが生まれることで新たなサービスも求められています。先進的なクリエイティブを作りたい人には逆にチャンスかもしれませんね。

 
少人数でのインタビュー実施のため、宗氏はオンラインからリアルイベントに参加できるWhateverの「Robot Viewing」を使って参加した

――最近ではオフィスビルの1階に、自社のアンテナショップ「New Stand Tokyo」をオープンしました。

川村氏:これはニューヨークを中心に拡大しているリテールスタートアップ「New Stand」のアメリカ国外初店舗になります。そのブランディングから、空間デザイン、商品キュレーションに店舗運営といったオペレーションも含めて我々で行っています。もともとはニューヨークのさびれたニューススタンド(キオスクのような駅のコンビニ)をおしゃれにリフォームしたもので、アメリカでは若者を中心に人気を集めています。社長とは長年の知り合いでもあったので、日本での出店を快くOKしてくれました。

 ただし、アメリカの店舗をそのまま日本で提供しても面白くないので、私たちはNew Standを「New Standard」の略と独自に解釈して、未来の日用品になるような商品を紹介する店舗に変えました。ただ新しいテクノロジーを使っている商品というだけでなく、作り方がサステナブルで地球に優しい商品などを置いています。

 また、ショップの半分は「fermata」というフェムテック商品を扱う企業と提携し、女性の健康を支える商品も置いています。ほかにも先ほど紹介したWFH Jammies」をはじめとした自社商品や、ビルの5階のシェアオフィスで働くデザイナーの商品なども販売しています。

キャプション
7月28日にオープンした「New Stand Tokyo」

富永氏:偶然ですが、「未来の日用品」というコンセプトが、このご時世の「ニューノーマル」とマッチして、多くのメディアに取り上げてもらいました。withコロナを明るくする商品はもちろん、次の時代を見据えた商品を紹介していく予定です。直接お店に来ていただくのは難しいですが、ECや先ほど紹介したRobot Viewingを活用して、新しい買い物の体験を提供していきたいですね。

――これからWhateverはどんな道を歩んでいくのでしょうか。

富永氏:社名の「Whatever」が意味するように、世界中の人たちが楽しめるものを「なんでも作ろう」というのが私たちのスタンスです。加えてWhateverにはもう一つ、「どうでもいい」という意味合いもあります。よくお客様から「デザインコンサルですよね?」「メディアコンサルですよね?」と聞かれるのですが、何の会社なのかは「どうでもいい」と思っています。自分たちのカテゴリーを絞ることなく、社会に求められるもの、みんなを楽しませるものを作り続ける会社でありたいです。

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