「フォートナイト」開発元のEpic Gamesが、Appleとの法廷闘争をエスカレートさせ、Appleがゲーム開発者コミュニティーに不公正な脅しをかけていると主張した。Epicは、米国時間8月23日にカリフォルニア州北部地区米連邦地方裁判所へ提出した裁判書類の中で、同社のゲームエンジン「Unreal Engine」のコードを禁止するとAppleが脅したと主張している。
手数料を回避してアプリ内から直接売り上げを回収しようとしたEpicに対して、AppleとGoogleはそれぞれのアプリストアから「フォートナイト」を削除したため、今回の訴訟に発展した。Epicは、Appleから「App Store」のツールにアクセスできないようにすると脅されたとしている。Epicは裁判所に対し、仮差し止め命令を求めている。
Appleは21日、この訴えに反論し、自社の対応が契約によって認められたものだと主張した。Epicはこれに同意していない。
Epicは裁判書類の中で、「Appleは唯一の合意書に違反したと主張したが、その合意は、Unreal Engine用の開発者ツールにEpicがアクセスすることや、Unreal Engineのライセンシーによって開発目的で使われるアプリの配布、その他の『Epic Developer Program』アカウントには適用されない」と述べた。Epicはさらに、Appleの行動は本件に関係のない開発者にも不当な影響を及ぼしていると主張した。
「Appleによる広範な報復措置自体が、同社の独占を維持し、勇気を持ってAppleに反対しようとするいかなる動きも封じ込めるための不法な取り組みだ」(Epic)
開発者にも不当な影響を及ぼしているというEpicの主張には、Microsoftも支持を表明した。
MicrosoftのKevin Gammill氏は、23日に提出された裁判書類の中でこう述べた。「AppleのSDKなどの開発ツールにEpicがアクセスすることを拒否すれば、『iOS』や『macOS』におけるUnreal EngineのサポートからEpicを阻害することになる。今後はUnreal Engineと、これを使ったゲームの開発に過去、現在、未来において携わる開発者らに重大な不利益をもたらすだろう」
訴訟の争点は、Epic Gamesが「フォートナイト」アプリの中に直接支払い機能を加えて、AppleとGoogleの決済システムと両社が各取引に課す最大30%の手数料を回避する権利を有するかという点だ。
Appleは、この手数料は妥当であり、Googleが「Google Play」ストアで課している手数料など、他社と同水準だとしている。しかし、大小の企業から異論が高まっており、米当局もこれに注目している。
23日の裁判書類についてAppleにコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」