米国で最も豊かで有力な大手ハイテク企業4社の最高経営責任者(CEO)が米国時間7月29日、米連邦議会下院の反トラスト法に関する小委員会で、自分たちに批判の目を向ける議員たちと相対した。4社のトップは、略奪的と批判されているビジネス慣行、デジタルコンテンツの盗用、そして競合他社の事業の強引な模倣や買収といったテーマについて、議員から厳しい質問を突き付けられた。今回の公聴会に出席したFacebookのMark Zuckerberg氏、AmazonのJeff Bezos氏、AppleのTim Cook氏、GoogleのSundar Pichai氏は、針のむしろに座らされた思いだっただろう。
議員たちは準備万端だった。各議員は社内メールや、反競争的行為によって損害を受けたと訴える企業との面談結果などを携えて、公聴会に臨んだ。多くのケースで、4社のトップは議員からの質問の根拠となる前提を一様に否定したが、こうした態度は、これらの企業がどれも独占的や冷酷、あるいはその両方であるとの印象を与えるものだった。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けてオンラインで開催された今回の公聴会は、大手ハイテク企業の独占状況に関する、13カ月にわたる調査を経たものだ。出席した4人のCEOは、実業界およびハイテク業界でも最も名の知れた企業トップで、この公聴会は4人がそろって出席し、議会で証言する初の機会となった。中でもBezos氏は、議会の公聴会に出席すること自体が初めてだった。
議員の質問の方向性から判断する限り、同委員会はこれらの大手ハイテク企業を包囲する、新たな手法を見つける態勢を整えているようだ。議員からの質問は、これらの企業が自社のビジネスを推進するために、自由市場の「見えざる手」を踏みつけているとの印象を与えるものだった。同委員会の報告書は、6回の公聴会と130万件に及ぶ文書を基にまとめたものになる予定で、新型コロナウイルスの世界的大流行により作業が遅れているものの、2020年内に完成するとみられる。
小委員会の委員長を務めるDavid Cicilline議員(民主党、ロードアイランド州選出)は、冒頭発言で、大手ハイテク企業が新型コロナウイルスによるパンデミックの中で支配力をより強固にする可能性があるとして注意を喚起し、これらの企業との対決を辞さない姿勢を鮮明に打ち出した。同議員はさらに、他の企業がつぶされることがないよう、独占的な力に立ち向かっていくことが重要だと指摘した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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