腕にスマートウォッチを装着していれば、スマートフォンの表示する通知を常に手元で確認できて便利だ。荷物を持っていて手が離せない場面だと、特に助かる。ただし、通知に対して何か反応するには、画面をタッチしたりベゼルを回したりする手間がかかる。
そんな不便を解消するデバイスとして、Apple Watch用の交換バンド「Mudra Band」を以前紹介した。このバンドは、神経の反応から手指の動きを認識し、それをジェスチャーとみなしてApple Watchへ操作コマンドを送る仕組みだ。
Appleも、手のジェスチャーをデバイス操作に利用するための技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間6月30日に「VEIN SCANNING DEVICE FOR AUTOMATIC GESTURE AND FINGER RECOGNITION」(特許番号「US 10,698,497 B2」)として登録された。出願日は2018年8月10日、公開日は2019年4月4日(公開特許番号「US 2019/0101991 A1」)。
この特許は、デバイスに搭載されたセンサーで腕内部にある静脈の状態を捉えて解析し、その結果を手指のジェスチャーとして使う技術を説明したもの。デバイスは、ジェスチャーに応じて何らかの動作を実行する。静脈の状態は、血管の位置、間隔、形状、血流といった情報から得る。
センサーについては、カメラ、光学式心拍センサー、赤外線センサーが使われる。デバイスの種類は限定していないが、手の血管をスキャンすることから、スマートウォッチやアクティビティトラッカーといった腕に装着するウェアラブルデバイスが想定される。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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