スマートウォッチは常に身に着けて使用するため、心拍数や歩数など健康に関わるデータを調べるのに適している。Appleはこの特徴を発展させ、水中で健康に影響しそうな状況を検知して警告するスマートウォッチ向け技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間4月14日に「PORTABLE ELECTRONIC DEVICE AS HEALTH COMPANION」(特許番号「US 10,617,358 B2」)として登録された。出願日は2016年8月2日、公開日は2017年3月23日(公開特許番号「US 2017/0079583 A1」)。
この特許は、周囲の環境が装着者の健康に影響を及ぼすかどうか検知し、それに応じて何らかの動作を実行する電子デバイスを説明したもの。請求項(クレーム)では単にウェアラブルデバイスとあるが、実施例の説明ではスマートウォッチを想定している。
デバイスのボディには空洞が設けられており、そこに外部から水を取り込める仕組みがある。空洞に入った水の量がある一定値を超えると、センサーでその水の成分などを調べる。そして、成分に応じて装着者に警告などをする。たとえば、海水浴の最中に、水質が健康に悪いレベルだと海から上がるよう促す、といった応用が可能だ。
水について調べる項目は、含まれる生物や粒子、化学物質のほか、pH値、塩分濃度、温度がクレームで言及されている。また、通知する情報は水質に限られず、激しい潮流や、近くにいるサメなどの危険な生物も対象になる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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