さまざまなメーカーがスマートグラスの開発を進めているが、そのうちの1社であるカナダ企業のNorthをGoogleが買収した。Northは、普通のメガネのようなスマートグラス「Focals」を2019年に発表し、2020年1月にはラスベガスで次世代機の初期版をデモした。買収について、9to5Googleが最初に報じていたが、Googleは米国時間6月30日に発表した。Northのウェブサイトでも発表されている。
Googleのハードウェア担当責任者Rick Osterloh氏は、買収を発表した声明の中で、「Northの技術的な専門性は、われわれがハードウェアの取り組みとアンビエントコンピューティングの未来に投資を続ける上で有用になる」と述べた。
筆者が2020年の技術見本市「CES 2020」で試用したスマートグラスはリリースされないようだ。Northのウェブサイトでは、「Focals 1.0を徐々に縮小しており、Focals 2.0を出荷しない見通しだが、われわれは新たな段階をスタートさせ、今後も皆さんが私たちとともにこの旅を続けてくれることに期待している」と説明されている。
初代のFocalsでは、網膜投影によって小さな映像が空中に浮かび上がるように見え、目をそらすと消えた。第2世代では大きめのディスプレイと導波路を採用し、継続的に見られるようになった。筆者が以前試したこのスマートグラスは、スマートな指輪でコントロールできるためユニークだった。
North(旧社名Thalmic Labs)は以前、筋肉の電気信号を検知し、ジェスチャーで操作するアームバンド製品「Myo」を開発していた。Googleによる買収は、スマートグラス技術と同じくらい、入力関連の技術を目的としている可能性もある。Northはほかに、処方に対応したスマートグラスの開発方法にも取り組んでいた。これは次世代のスマートグラスに採用される可能性もあるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」