ソニー「Xperia 1 II」カメラの実力--短編映画を撮ってみた - (page 2)

Patrick Holland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年06月03日 07時30分

 動画は10bitカラーのH.265コーデックで記録される。Cinematography Proアプリを使った4K動画は鮮明で、とりわけメインの24mmカメラで撮影した映像はシャープだ。解像度とフレームレートの上限は、4Kで60fps、HDで120fpsとなる。ただし、Cinematography Proで撮る動画はアスペクト比が2.39:1なので、厳密にフル4KのUHDでは撮影されない。16:9のアスペクト比で真のUHD動画を撮影したければ、Xperia純正のカメラアプリを使う必要がある。

 ソニーがXperia 1 IIに改良を加え、もっと便利にすることもできるはず、と思う点もある。まず筆者が望むのは、Cinematography Proアプリがもっと「プロ」仕様だったら、ということだ。ビューファインダーをズームしてマニュアルフォーカスができれば、あるいはフォーカスピーキングの機能があれば申し分ない。真にフラットな動画プロファイルも歓迎だ。

 屋外撮影では通常、動画が露出オーバーにならないように減光フィルターが必要になる。Xperia 1 IIでは、絞りが固定なので、露出時間を調節するには、ISOとシャッタースピードを変えるしかない。まぶしいくらい晴れた日には、ISOとシャッタースピードを最低まで下げてもまだ露出オーバーになってしまうことが、たびたびあった。筆者が覚えたひとつのコツは、4Kの60fps(またはHDの120fps)で撮影する方法だ。こうすると、24fpsで撮るときより、各フレームの露出時間が短くなる。理想的とは言えないが、この方法で露出が許容範囲になることもあった。

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提供:Patrick Holland/CNET

 シーンの取り直しが必要になって、最初に撮影したときの設定を思い出さなくてはならないこともある。既に撮影した動画のISOとシャッタースピードについてのメタデータを利用できれば、たとえプロジェクトファイルでしか見られないとしても、かなり便利になるだろう。(Photography Proアプリだけでなく)Cinematography Proアプリにもヒストグラムを追加し、さらには波形やゼブラ機能も追加してくれるとありがたい。

 こうして、欲しい機能を並べてみると、実はサードパーティーの動画アプリ「FiLMiC Pro」に搭載されている機能と似ていることが分かる。Cinematography Proアプリに機能が追加されれば確かに便利かもしれないが、Cinematography ProとFiLMiC Proの2つが根本的に違うアプリであることは理解している。筆者がCinematography Proを気に入っている理由の一部も、いたってシンプルだからだ。向こう意気だけで映画を撮っていた若い頃にFiLMiC Proがあったら、きっと機能の多さに圧倒されていただろう。逆にCinematography Proは、とりあえず撮ってみようという気にさせるし、頭の中にあるアイデアを動画として形にさせてくれる。

Photography Proアプリと瞳AF機能でミラーレスカメラに早変わり

 iPhone 11 ProやGoogleの「Pixel 4」など、素晴らしい写真を撮れるスマートフォンを考えるとき、これらのモデルが傑出しているのは、一瞬を切り取り、処理と最適化によって可能な限り見事な1枚を残せるからだ。シャッターボタンをタップすれば、あとはスマートフォンの計算能力による写真技術がすべて処理してくれる。大抵の人にとっては、それだけの機能がスマートフォンのカメラにあれば、それで満足する。

 だが、筆者のようにもっとクリエイティブな機能がほしいユーザーにとって、Xperia 1 IIは何ともうれしい1台だ。高度なコントロールがきき、普通のカメラと同じように操作できる。

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