ミクシィは5月15日、2020年3月期通期の連結業績を発表した。売上高は1121億7100万円(前年同期比22.1%減)、営業利益は171億6500万円(同58.2%減)、経常利益は169億3300万円(同58.8%減)、純利益は107億2400万円(同59.6%減)。大幅な減収減益となった一方で、期初の想定ならびに、3月23日付で上方修正した業績予想を上回る数字になったという。
四半期ベース(第4四半期)では、売上高は398億600万円(前年同期比4.6%増)、営業利益が140億89万円(同0.3%減)、経常利益は138億4100万円(同2.1%減)、純利益は102億9800万円(同9.3%増)としている。
2020年3月期の方針として、「モンスト(モンスターストライク)のリバイブ」と「スポーツ領域の事業成長」を掲げていた。振り返りのなかでは、モンストに関しては周年カウントダウンキャンペーンや「鬼滅の刃」をはじめとした人気IPとのコラボ施策が好調だったことにより、計画を上方修正するなど、期初予想を超える形になったという。ミクシィ代表取締役社長の木村弘毅氏はオンライン上で行われた説明会のなかで、モンストに対して適切な施策を打つことにより、高い売上や利益が達成できると再認識し「自信にも繋がった」とコメントした。
このほかデジタルエンタメとしては、セガゲームス(現在はセガ)からスマホゲーム「共闘ことばRPG コトダマン」の運営を移管。モンストとのコラボなど企画を展開したという。
スポーツ領域についても、チャリ・ロトやネットドリーマーズをグループ会社化など、公営競技ビジネスの推進、プロバスケットボールチーム「千葉ジェッツふなばし」の株式取得や、スポーツギフティングサービス「Unlim」を開始するなど、プロスポーツ領域の成長加速も進めてきたという。ただし、新型コロナウイルス感染拡大により、千葉ジェッツの試合が中止になるなど、影響を受けたところもあったとしている。
2021年3月期については、モンストやコトダマンなどゲームやアニメなどの「デジタルエンターテインメント」、公営競技や千葉ジェッツなどの「スポーツ」、「みてね」や「minimo」「mixi」などの「ライフスタイル」の3つのセグメントとして事業を展開する。
デジタルエンターテインメントは、引き続きモンストのリバイブに注力。新規ゲームの開発は厳選して行っていくという。スポーツは、公営競技関連事業への投資を進めていく。一方、公営競技以外のスポーツ領域において、新型コロナウィルスによる影響を大きく受けいるため、見通しが不透明な状況と説明する。ライフスタイルについては、みてねのマネタイズ強化を中心に展開するとしている。
2021年3月期の業績予想は、売上高1000億円、営業利益110億円、当期純利益65億円と、減収減益を見込む。モンストは足元での売上は好調としているものの、まだ本質的なリバイブには至っていないことや、新型コロナウィルスの影響で例年開催しているイベントや映画などの実施可否も不透明な状況もあり、減収を織り込んだものとしている。
木村氏は、新型コロナウィルスによる影響について触れ、「世界は大きな転換期へ突入している」と語る。また、社会的に大きなストレスがかかっている環境において、エンターテインメントの必要性を改めて感じているとし、「私たちの持つエンタメのノウハウとIT技術を駆使することで、デジタルトランスフォーメーションを推進し、多くのユーザーに届けることができると考えている」とコメントした。
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