テクノロジー業界ではダイバーシティー推進の動きが遅々として進まないが、Intelは、自社とサプライヤーが2030年までに達成するべき目標を掲げている。同社は米国時間5月14日に公開した「Corporate Responsibility Report」(企業の責任に関するレポート)の中で、2030年までに技術職に携わる女性の数を全体の40%まで引き上げるとともに、上級職に就く女性とマイノリティーの人数を2倍にするとしている。
このレポートでは、サステナビリティーやサプライチェーン、社会的影響などのトピックも取り上げている。
Intelの最高経営責任者(CEO)Bob Swan氏はレポートの中で、「当社には、野心的な目標を設定し、進捗と課題の両方について透明性をもって情報を公開してきた実績がある」と述べた。
テクノロジー企業に対しては、従業員の構成比をめぐってますます注目が集まっている。2014年には、GoogleやFacebookなどの大手テクノロジー企業がダイバーシティーレポートの公開を開始し、すでにかなり明白になっていた現実を裏付ける数字が明らかになった。白人男性がテクノロジー業界の圧倒的多数を占めているという現実だ。
無意識の偏見に関する研修の義務づけや、従業員リソースグループ(ERG)の編成、教育機関への慈善活動など、各社がさまざまな取り組みを始めている中で、女性やマイノリティーの割合は上昇しているが、毎年の上昇幅はわずかだ。企業のレポートの中には、依然として複数の属性を組み合わせたデータ(たとえば、社内の女性比率だけでなく、具体的に有色人種の女性の割合を示したデータ)を開示していないものもある。
Intelも他社と同様に、5年にわたり従業員の多様化を推進している。2015年の技術見本市「CES」では、当時CEOだったBrian Krzanich氏が従業員の多様性向上を支援する取り組みに3億ドル(約320億円)を投じることを約束し、役員報酬を職場の多様性向上の進捗状況に連動させるとしたほか、2020年までに「完全な多様性」を実現すると述べた。2018年には、米国の全従業員の性別や人種構成で当初の見通しより2年早く目標を達成したことを明らかにした。2019年には、全世界の職場で賃金の男女平等を達成したと発表した。さらに、「多様な人材が経営するサプライヤー」に毎年10億ドル(約1070億円)を出資している。そのうち約2億ドル(約210億円)は特に、女性が経営する世界のサプライヤーに投じられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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