それではパッケージを開けてみよう。まず目に飛び込んでくるのはケースや説明書が収められた紙スリーブ。それを外すとMara Zが鎮座している。東南アジアの地場メーカーの製品だと、紙箱を開けると半透明のビニール袋にスマートフォン本体が収納されていることが多く、シャオミの格安モデル「RedMi」の低価格機なども同様だ。
ところが、Mara Zはまるで高級モデルのように上品に本体が収められているのである。Mara Zの価格はUSドルなら229ドル。日本の格安スマホと変わらない価格だ。ちなみにMara Xは159ドルである。
本体を取り出すと、ヘッドホン、充電器、USBケーブルが赤い内箱の中に収納されている。これまた上品な感じで、黒と赤、白のコントラストも美しい。ヘッドホンは白いケースに入っているが、MaraのロゴとDOLBYの文字が本格的な製品であるかのように思える。なお入っているヘッドホンはごくごく一般的な品質のものだ。
さて、ここで筆者が一番感心したのは、この製品が収納されているプラスチックの箱だ。まず中の赤い内箱は指先でつぶせるようなペラペラな素材ではなく、そのまま取り出してカバンの中に入れても壊れないようなしっかりした造りだ。机の上に置いて小物をいれておいてもいい。そしてこれを取り出したあとの黒いプラスチックの箱は、たとえば果物やサンドイッチを入れて弁当箱のようにも使えるだろう。
つまり、Mara Zはスマートフォンのパッケージを「捨ててしまうだけの移送用の箱」ではなく、本体を取り出した後も二次利用できる素材で作っているということだ。ゴミになるものを使えるものにする、アフリカ市場ではここが意外と消費者に受けるのではないだろうか。
筆者はここに「これはいいぞ」と感銘を受けたのだ。なお、アフリカではTecnoのスマートフォンなら100ドル以下でも買える。その倍以上の値段の製品だからこそ、Mara Phonesはパッケージや収納方法、さらに本体を使い始めた後のパッケージの面倒まで見ているのだ。
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