新型コロナウイルス対策の一環として、自宅から仕事をすることが推奨されている昨今。ラジオ放送でもテレワーク──J-WAVEナビゲーターなどで活躍するDJ TAROさんは4月11日、自身の番組「J-WAVE SATURDAY NIGHT VIBES」で自宅からの生放送にチャレンジした。
J-WAVE SATURDAY NIGHT VIBESは、毎週土曜日の深夜25時~27時、J-WAVEで生放送される。
DJ TAROさんは、通常でもワンマン生放送でラジオを運営。ラジオ業界では以前から極めてレアな新しい試みにチャレンジしていることで知られる。iPadを使ったDJプレイの先駆者でもあり、実はテクノロジーにかなり強い人物なのだ。
今回のテレワークにあたっては、まず第1回目として3月29日にJ-WAVEスタジオに近い事務所から放送にチャレンジ。成功したことから4月11日、いよいよ自宅へと場所を移した。
4月11日は「ホッとする曲」「ホットになれる曲」をテーマに、リクエスト曲を募集。テレワークのため、この日はTwitterのハッシュタグのみでリクエストを受け付けた。#snv813 #テレタローで当日のリクエストやコメントが見られる。「これぞ『働き方改革』、テレワークすごい」といった声が多く見られた。
なぜ自宅から生放送にチャレンジしたのか。また、具体的にどのようなシステムでどのようにしてオンエアを実現したのかなど話を聞いた。
――第1回目は事務所から、2回目は自宅からという二段階のテレワーク放送でしたね。
本来は最初から自宅でと思っていました。まず事務所にしたのは、ある程度はこういう状況ですからアリだと思うものの、いきなり初回に自宅にいる子供が泣いてあまりにもお聞き苦しくなっては……という部分と、万が一何か不具合が起きた時にJ-WAVEにすぐ行ける!というバックアップの観点からでした。
文字通り史上初の試みだったので、放送をもってした実演テスト的な形でした。機会を与えてくれたJ-WAVEそして技術部の皆さんに配慮した形です。
――音声のみとはいっても、やはりラジオ放送となると大変なのですね。
今の時代ですから、それこそSkypeやZoomなどを使えば音声を送るのなんてワケないと思うかもしれません。でも、ラジオ、特にわれわれFMの世界では音質的な部分で使用が厳しいのです。
ただ、リモートでゲストの方とのやりとりでは、SkypeやZoomなどを使うとある意味音質で居場所の差別化ができてよいのかもしれませんね。
――リスナーからは、「前回より回線が安定したのでは?」との声もありました。
前回と今回の違いですが、回線の安定は原因ではないと思います。確かにこのコロナの影響でインターネット回線、特に夜帯はエリアや帯域によっては大分パフォーマンスが落ちる部分もありますが、映像ではなく音を送るのに、そこまでの速度を本来は必要としません。
前回メインで使用したIP CODECはLAN+SIM CARDを2スロット搭載なので、『絶対に落とさない!』というダブルの環境で送信できます。前回はこちらをLAN+SIM回線で使用しました。
音質は基本的にはバッファーの設定が大きく関係します。バッファーを設ければ遅延しますが、処理にパワーを回せます。バッファーがなければ遅延を極力なくせますが負荷がかかります。ブツッと音が途切れて聞こえるような現象になります。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス