テレワークを導入したところまではよかったものの、オフィスで業務を行っている時とは要領が違いすぎて、ストレスを感じている人は少なくないだろう。慣れで解決できるならまだしも、作業環境の違いから来ているものであれば、早期に解決策を考えたほうがよい。
実際、テレワークで便利とされるグッズは、オフィスでの業務ではそれほど役に立たず、テレワークでこそ真価を発揮するものが少なくない。今回は5つのジャンルを挙げ、それぞれについて代表的な製品とともに、選び方のポイントをまとめてみた。
なお、テレワークに必要な機材の選び方のヒントはこちらの記事でご紹介しているので、あわせてチェックして欲しい。
テレワークでは、作業に集中したいと思っても、周りに家族や子供、ペットがいることで、集中できないこともしばしば。一人になれる部屋があればよいが、自宅の間取り上、なかなかそううまくいかない場合もあるだろう。
室内に設置し、一人だけの空間を確保できるプライバシーテントがあれば、作業に集中しやすい環境を簡単に構築できる。防音効果こそ期待できないが、周りの視界を完全に遮ってくれるので、気が散るのを防げる。本来なら自宅で扱うべきではない機密性の高い書類を、やむを得ず広げる場合にもよいだろう。
代表的な製品には、3月にサンワダイレクトから発売された幅90cmのコンパクトタイプのほか、幅広のデスクごと格納できるバウヒュッテのゲーミング用製品などがある。ちなみに災害時に体育館などで使うことを前提としたテントは品数も豊富だが、デスクやチェアが入らないことも多いので、探す時は気をつけてほしい。
ノートPCは、画面を見下ろす姿勢で操作するため、肩が凝ることもしばしばだ。特にモバイルノートPCのように画面が小さいと、前傾姿勢になって首で頭を支える姿勢になるとともに、猫背にもなりがちなため、肩こりに加えて腰痛まで誘発する危険性が高くなる。
ノートPC用スタンドを導入し、ノートPCの画面をやや持ち上げることで、こうしたリスクは大幅に低減できる。また接地面積が減ることから、奥行きに余裕がないデスクであっても余裕を持ってノートPCを置けるようになるほか、ノートPCの底面の風通しがよくなることから、夏場の放熱対策にもなる。
選び方のポイントとしては、角度調節の段階がなるべく多い製品を選ぶこと。またノートPCの後方寄りだけでなく、全体を持ち上げるタイプならば、ノートPCにつないだフルキーボードを未使用時に奥に片付けることも可能だ。多種多様な製品が発売されており、価格もピンキリなので、通販サイトなどで好みの製品をチェックしてみるとよい。
ウェブカメラを使っていると、知らないうちに外部から覗かれていないか気になるもの。ハッキングまでいかなくとも、うっかりミスでカメラをオフにし忘れ、ビデオ会議後にメンバーに醜態を晒すという事故も起こりかねない。最近のノートPCはこうした事態を防ぐため、カメラを物理的に覆うシャッターを搭載した製品も多いが、そうでない製品のほうがまだ多数派だ。
ウェブカメラの上から貼り付けられるカメラカバーを用いれば、ウェブカメラを物理的に被ってしまえる。使う時はスライドして開け、使い終わったらスライドして閉めるというわけだ。装着したまま画面を閉じることもできるので、ノートPCを持ち歩く時も邪魔にならない。ソフトウェア上でオフにするよりも直感的で、安心感も高い。
国内メーカーでラインアップしているのはサンワサプライくらいだが、Amazonで検索すると海外発の製品が山のように見つかる。ポイントとしては、ノートPC本体にキズをつける危険のある金属製は避けてプラスチック製を選ぶこと、また装着したまま画面が閉じられるよう、なるべく薄型タイプを選ぶのがコツだ。
テレワークで室内にこもっていると、なにかと換気を怠りがち。室内の二酸化炭素濃度が1000ppmを超えると、思考力の低下や眠気を招きやすく、さらに放置していると頭痛へとつながっていく。また就寝時に部屋の二酸化炭素濃度が高いと、いくら寝ても疲れが取れない事態に陥りがちだ。
二酸化炭素濃度チェッカーを室内に設置しておけば、換気が必要なタイミングを的確に判断できる。しばらく使っていると、だいたいどのくらいで換気が必要なのか、空気の淀み具合から把握できるようになるので、二酸化炭素濃度の違いが感覚的にピンと来ない人は、一度経験しておけば、今後にも役立つはずだ。
国内メーカー製で知名度が高いのはカスタムが販売している製品だが、本稿執筆時点では品薄の状態が続いている。据置タイプにこだわらなければほかに選択肢は多数あり、テレワークが長期にわたって継続しないのならばこちらも狙い目だが、国内で検品されていない海外メーカー製品は信頼性の点でやや劣ることは、注意したほうがよいだろう。
ノートPCは横幅に制限があるため、数字を入力するためのテンキーを搭載していないことが多い。プライベートの利用ならば問題はないが、金額などの入力が多いビジネスユースでは、やはりテンキーがあったほうが効率的だ。作業スペースの関係で外付けのフルキーボードを増設しない場合も、テンキーひとつあるだけで、作業の効率が上がる。
テンキーに製品ごとの違いはそれほどなく、せいぜい有線か無線か、およびカラーバリエーションの差くらいしかないが、なかには通常の4列に加えてTabキーや全角半角キーをもう1列追加した製品や、プログラマブルキーを備えた製品もある。うまく使いこなせば、フルキーボードに備わっているテンキー以上に、作業を効率化してくれるだろう。
ちなみに製品としては、エレコム、バッファロー、サンワサプライのほか、ナカバヤシやミヨシなどさまざまなメーカーが複数のラインアップを投入しており、価格も千円前後と格安だ。なおBluetooth接続の製品はレスポンスが遅いことがあるので、2.4GHz帯の無線ドングルを搭載した製品か、あるいは有線タイプをチョイスすることをおすすめする。
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