Googleは米国時間3月18日、ウェブブラウザー「Chrome」のアップデートを一時停止すると発表した。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が影響しているとみられる。
「現時点で作業スケジュールに変更が生じているため、Chromeと『Chrome OS』の次回のリリースを一時中止している」と、Chromeチームはブログへの投稿で述べた。現在のChrome(バージョン80)を含む、セキュリティ関連のアップデートは今後も優先して提供していくとしている。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はさまざまな企業を直撃しており、特にウイルスの拡散を遅らせるための封じ込め施策に影響を受けている、配送や製造工場などのリソースが不可欠な業種に大きな影響が出ている。Googleの今回の発表は、コンピューターさえあれば成り立つ仕事をしている人たちにも影響している可能性があることを示している。休校措置や在宅勤務で、多くの仕事をオンラインで行っている職にも影響が及んでいるためだ。
Chromeは最も広く使用されているブラウザーで、分析会社のStatCounter調べでは、ブラウザーのシェアは約64%を占めている。Googleは通常、6週間ごとに新バージョンをリリースしてバグの修正と新機能の導入を行っている。
Googleはセキュリティアップデートを優先するとしており、セキュリティについては一時中止の措置を取らないとみられるため、Chrome開発の遅延が一般ユーザーに影響することはほとんどないと考えられる。だが、多くのブラウザーが、GoogleのChromeのオープンソース基盤「Chromium」に依存しているため、別の影響が出てくるかもしれない。
Microsoftの新しい「Edge」のほか、「Brave」「Samsung Browser」「Vivaldi」「Opera」などがChromiumをベースとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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