朝日インタラクティブは2月18~19日の両日、年次イベント「CNET Japan Live 2020」を開催した。今回のテーマは、「企業成長に欠かせないイノベーションの起こし方」。本稿ではサッポロホールディングスが2018年から取り組んできた次世代事業を創出するビジネスコンテストを実施した背景と、そのあらましを示した「次世代事業創造『サッポロビジネスコンテスト』 その仕掛けと挑戦」を紹介する。
サッポロホールディングスは「グループ経営計画2024」の1つとして、「低収益事業の縮小・撤退と、食をはじめとする成長分野へのシフト」を掲げている。その背景として「新規事業開発における課題意識」「人材育成における課題意識」と2つの課題を掲げた。
さらに同社は「既存事業の枠を超えた新規事業開発に至らない縦割り構造と、新規事業に対するノウハウ不足でリスク排除の思考を持てず、挑戦的な風土の醸成や経営人材を育成する制度・施策、育成施策の面で全社への影響力が欠落していた」(同社人事部キャリア形成支援グループ マネージャー 柿谷清治氏)。マネージャークラスや中堅クラスを対象に新規事業創出研修も手掛けてきたが、ゴール設定が発表にとどまり、全社へ影響をおよぶことはなかったという。
その打開策として打ち出したのが、2018年9月から着手した「サッポロビジネスコンテスト(以下、ビジコン)」だった。社会課題を解決し、人々の生活に豊かさをもたらす次世代『酒』『食』『飲』事業の創造を目的にアイデアから事業化までの一気通貫を目指すプログラムである。スタート時点から人事部門や経営戦略部門の役員、ホールディングスの社長を巻き込み、「会社が本気」だという意思をイントラネット経由で周知。その後説明会を開催したところ、社内応募数は89件まで膨らんだ。
本プログラムはサッポログループ内の事業化や人材育成を目指しているため、ベンチャーキャピタルではなく外部のスタートアップ企業と協働するスタイルを採用している。2019年2月には社内外混合チームでアイデアソンを開催してブラッシュアップした結果、20名で構成された10チームから、事業化の可能性が高い5チームを選出し、2019年7月の最終発表までのビジコンに至った。
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