Appleは、物議を醸している顔認識アプリ「Clearview AI」を「iPhone」でユーザーが使用できないようにしたようだ。開発元の新興企業Clearview AIが開発者規約に違反していると判断し、アカウントを停止したと報じられている。Clearview AIは、プライバシー擁護団体からの批判にさらされ、訴訟を抱えている。
Clearview AIは、「デベロッパアカウント」を使用して、このソフトウェアを法執行機関などの顧客に配布していたが、この手段ではAppleの「App Store」を迂回可能になり、Appleの規則に違反していたという。BuzzFeed Newsが米国時間2月28日に報じた。Appleの規則に違反しているため、Clearview AIのアカウントを無効にしたとAppleの広報担当者は述べた。
Clearview AIの創設者で最高経営責任者(CEO)のHoan Ton-That氏は声明で、「Appleと連絡を取っており、同社の規約と条件に従うよう対応している」と述べた。
Clearviewのサービスは、法執行機関や、同社が「セキュリティプロフェッショナル」だとする組織向けとされている。顔認識技術を利用し、アプリがどこで利用されていても人物を特定できるとみられる。実質的に、人々が路上を歩く際に想定している匿名性はほぼ失われているような状態だ。
このソフトウェアは、プライバシー関連の懸念を招いている。先週には、同社のデータに不正アクセスがあり、Clearview AIの顧客リストが盗まれたことが明らかになった。
Appleの広報担当者は声明で、「Apple Developer Enterprise Program」は社内でソフトウェアを配布する場合のみ利用できると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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