ドコモが発掘した“5G時代”の海外ベンチャーに注目--スポーツ映像配信や仮想空間ライブ - (page 2)

IoT時代に物へテクノロジーを与える万能タグ「Wiliot」

 最後に登場したのは、半導体を開発するイスラエルのベンチャー、Wiliot LTD.である。同社が開発するのは、電源が不要な切手サイズの超薄型Bluetoothセンサータグだ。これにより、「モノに息吹を吹き込み、認識力を与えて、検知や環境を把握する能力を与えることができる」とWiliot LTD. Director of Product Managementのロベルト・サンドレ氏はタグの価値観について説明する。

Wiliot LTD. Director of Product Managementのロベルト・サンドレ氏
Wiliot LTD. Director of Product Managementのロベルト・サンドレ氏

 5Gによって無線インフラが高度化し、モノがインターネットを通じてつながるIoT時代に本格的に突入する。その際にこのタグを張り付けることで、さまざまなモノを簡単にIoT化できる。いわば、さまざまなモノの状況をわかるようにするための万能タグといったところである。

 動力は、無線周波数のエネルギーを活用する。「Wi-FiやBluetoothのアクセスポイントを活用し、我々の周りにあるエネルギーを変換してリサイクルして自分自身で運用に使う」(サンドレ氏)という仕組みで、常時起動させても電力コストは不要となる。機能面を見ると、センサーを搭載し、温度や圧力、加速度を検知することができ、演算機能も備える。データを送信する際には、AES128bit方式で暗号化通信を行う仕組みを実装している。

Bluetoothセンサータグ(シール型)の中央の結び目部分にチップが搭載されている
Bluetoothセンサータグ(シール型)の中央の結び目部分にチップが搭載されている

 同タグを活用することで、「製品が生成された際に、デジタルサーティフィケートを作成することができる」(サンドレ氏)。これにより、生産時から流通、小売りまで、人がどんなプロダクトを利用していたかを把握できる。再販されたとき、あるいは盗難・紛失の際にも、デジタルサーティフィケートをつけていることで、最初から最後までプロダクトを追跡できる。

 このほかにも、例えば薬の入れ物にタグを張り付けて、重量管理によって患者や一人暮らしの高齢者がちゃんと薬を飲んでいるかを遠隔管理するといった使い方もできるという。

 モノがテクノロジーと融合してIoT化していくなかで、「テクノロジーを組み込むためにモノを変える必要はない。モノに順応させていく」(サンドレ氏)というのがWiliotのアプローチである。2020年後半に、量産製品の出荷を予定しているという。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]