「チャレンジを増やして、世の中を面白くしたい」 --スペースマーケット重松氏が語る上場への思い - (page 3)

藤川理絵 藤井涼 (編集部) 加納恵 (編集部)2019年12月29日 10時00分

社会背景をとらえた、唯一無二のビッグデータビジネス

——最後に、上場後の展望を伺いたいのですが、日本というマーケットで、スペースシェアがブレイクする日は、何年後くらいに来ると思われますか?

 おそらく2〜3年くらいで、大きく変わって来る気はすごくしますね。一般的なB2Bビジネスとは違い、プラットフォームビジネスは一度ティッピングポイントを超えると急激に大きくなります。日本ではメルカリ、海外ではAirbnbなどがそうです。そうした成長角度と、利用のされ方、意識の変容などを見ていると、3年くらいで一気に変わって来るだろうなと。

——今回の上場に際して、売上規模5億円はまだ小さいのではないかという指摘もあったかと思います。

 働き方はどんどん多様化し、共働き率も伸びて、プラットフォームだけではなくITツールも大量に流出してリモートでも働けるようになりました。日本では人手不足が急速に進行して、働き方改革がこんなに叫ばれるようになって、大企業の取り組みが特にこの2年で一気に進みましたよね。

 人口減少に伴って空き家や築古の物件もどんどん増えてきています。いま分譲のマンションが約650万戸で、そのうち築40年が約10%らしいのですが、ここ20年で4.4倍になるという話もあります。周辺産業としてUberEatsがすごく伸びたり、ケータリングのプラットフォームも一般化してきました。社会背景が我々の方にシフトしてきている、非常にポジティブな状況だと思っています。

——グローバル展開は考えていらっしゃいますか?

 まずは、スペースマーケットというプロダクトの磨き込みと成長、それからスペースシェアというマーケットは人の本当に働き方や暮らし方を変えていくと思います。しかし我々1社では到底太刀打ちできないところなので、さまざまなパートナーシップを通じてエコシステムを作り、スペースシェアリングを3年くらいで、日本国内で圧勝するというか「当たり前」化して、グローバルはその先にあるのかなと考えています。グローバルで勝ち切っているプレイヤーは、まだいないので。

「スペースシェアリングを3年くらいで、日本国内で圧勝するというか『当たり前』化したい」
「スペースシェアリングを3年くらいで、日本国内で圧勝するというか『当たり前』化したい」

——まずは日本で、増え続ける遊休不動産の活用方法として、新たな選択肢としての認知を上げつつ、全国津々浦々まで広げていきたいということですね。

 スマートロックやリモートカメラなど、レンタルスペースがIoT化してきて、さらにサイネージ広告を流せるとか、新商品のサンプリングを体験できるとか、スペース自体がメディアになるとも思っていて、もっと新しい顧客体験、新しいカルチャーを作っていきたいです。物件をリノベーションして時間貸しすることで、賃貸よりも効率よく収益化できるケースも多いので、ある意味新しい産業ができてきました。

 これは、我々のプラットフォームを経由しなけば入手できない多種多様なデータが、どんどん蓄積されているということ。利用が増えればデータはどんどん強くなってくるので、例えばエリアごとにどういう属性の人がどういう使い方をしているとか、一般の不動産会社が持っていない多種多様なデータを活用して新しいビジネスを作っていきたいですね。日本ではまだ時間がかかりそうですが、SDGsも間違いなく来るムーブなので、今ある不動産をきちんと「使う」というビジネスは、その文脈にも乗るのかなと。

 「チャレンジを増やして、世の中を面白くする」。これはもともと掲げたビジョンですが、ホストの方が空いている遊休スペースを細切れでもよいので活用して収益を得たり、ゲストの方がスペースを使ってやりたいことをやりたい時にできたり、チャレンジをどんどん増やしていきたいですね。

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