「チャレンジを増やして、世の中を面白くしたい」 --スペースマーケット重松氏が語る上場への思い - (page 2)

藤川理絵 藤井涼 (編集部) 加納恵 (編集部)2019年12月29日 10時00分

ゲストのニーズを細やかに分析、体験を可視化、言語化して認知

——2014年の創業当初は、スペースシェアという市場はほぼなかったですよね。そういう状態から現在に至るまでの流れについてお聞かせください。

 創業当初は、企業研修や会議などMICE(Meeting, Incentive Travel, Convention, Exhibision/Eventの総称)市場を作るのだ、という気概を持って始めたのですが、サービスを開始した半年後にハロウィンがあって、そのタイミングでちょっとふわっと(売上が)上がったんですよ。その後の忘年会も。そのときに、パーティとかの可能性をすごく感じて、「このビジネス、いけるんじゃないか」と思ったことを、今でも覚えています。

 当然、初期から会議利用もありましたが、友人同士のパーティや、会社の飲み会、YouTuberの方の撮影、親戚一同が集まる会食、採用面接のために日本中で使っている人がいたりなど、利用用途はどんどん多様化していきました。

 それで我々の方からも、「実はこんな使い方もできる」という提案をして、実際に使ってもらって、認知度を上げて行くという、1つ1つ細かい作業もやってきましたね。スペースマーケットは「文化創造型」のビジネスなのだと思います。

 これからも、我々が気づいていないさまざまな使い方、働き方、遊び方、住まい方が、ゲストの方から出て来ると思いますし、だから時間は多少かかりますけれど、まず1回使っていただければ「こうやって使うんだ」とすぐに分かってもらえるので、そこはこれからの課題ですね。

——1回使っていただくことが、非常に大事だということですよね。これまでは具体的に、どのような取り組みをされてきたのでしょうか?

 例えば、利用者アンケートでフリーコメントを記入する欄があるのですが、利用用途は「会議」「パーティ」で、コメントに「ボードゲーム」って書かれている件数がすごく多かったのですが、そういう分析を細やかに続けて、細分化された利用実績から一定のニーズがある利用用途を見つけ出して、それをきちんと項目化して、体験を可視化、言語化し、利用用途として認知させていく取り組みをここ1年は強化しています。

 B2Bでも、「クリエイティブな発想、オープンイノベーションが生まれる」「チームビルディングに役立つ」「コミュニケーションが、居酒屋よりも活発になる」など、スペースマーケットを利用する意義を社内でプレゼンしやすいよう、我々の方でストーリーを作って発信して来ました。

——その結果、ユーザーはどのように変化してきましたか?ホスト、ゲストの両面からお聞かせください。

 ホストの方については、当初は新しいもの好きで、ある意味でチャレンジャーな方が、面白いからやってみようみたいな形で参入してきて、今もそういう個人の方は多い一方で、実はこれを生業とするプロの事業者の方が生まれてきていたり、大手不動産会社もホストとして参入してきていて、それは大きな変化かなと。

 ゲストの方についても、当初は、IT系の新しいもの好きな方や、自動車メーカーの研究開発部門、大手企業の新規事業担当者の方などの企業のが多くて、スペースマーケットを会社として利用するための稟議の書き方相談もあったんですよ(笑)。でも最近では、商社や銀行といったレガシーな業種の大手企業の方々にも普通に使っていただけるようになってきて、時代の変化を感じますね。

 いま法人利用の方がデータ上では約3割なのですが、社用で使った方がプライベートで再訪する、クロスユースも多いので、そこは強みかなと思います。

——課題だと感じていることは?

 認知度はまだまだ劇的に低いのですよ。投資家を回ってよく分かったのですが、1割も知らない。でも逆に、そこは伸びしろだと思っているので、引き続き高い成長率で、前年比2倍、3倍と伸ばしていきたいと考えています。

 「プロダクトの使い勝手の良さ」が、これから伸びる一番のドライバになってくるので、AIとか色々なテクノロジーを使ってマッチングやレコメンドの精度を上げていきたいです。より多くの優秀なエンジニアリング人材にリーチできるよう、新しい技術の勉強会やミートアップも開催しています。

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