スマートホーム市場でしのぎを削るアマゾンとグーグル、2019年の勝者はどっち?

David Priest Molly Price (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2019年12月24日 07時30分

 2019年はスマートホームテクノロジーにとって革命的な年ではなかった。それでもGoogleとAmazonはいずれも製品ラインアップを増やし、ソフトウェアを改良し、さらに人間の成長に例えるなら、幼児期にあったデバイスたちが散らかしたものを片付けることに取り組んだ。Amazon製品とGoogle製品によって支えられたスマートホームのおかげで、このカテゴリーは青年期に達した。このカテゴリーが無邪気さを失ったことには寂しさを感じる。やがて、「Googleアシスタント」と「Alexa」は車を運転し、クレジットカードを使うようになるのだろう。

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提供:Chris Monroe/CNET

 それでは、燃え尽きてしまうのは、どちらの子供なのだろうか。名門大学に進学し、経済的に自立したら電話をかけてこなくなるのは、どちらの子供なのだろうか。それは誰にも分からない。だが、2019年を振り返れば、有力なヒントが見つかるかもしれない。

 米CNETのMolly Price記者(Google担当)とDavid Priest記者(Amazon担当)が、2019年の勝者はどちらなのかを議論した。

ハードウェア

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提供:Chris Monroe/CNET

David Priest(以下DP) ハードウェアに関して言えば、2019年はAmazonの圧勝だったと思いますね。Amazonはスマートスピーカーとディスプレイのラインアップを拡充して、両方のカテゴリーで小型、中型、大型の選択肢を顧客に提供しました。新しいデバイスの中には、過去の製品のマイナーアップデート版のように思えるもの(「Echo Dot with Clock」など)もありますが、それ以外の新製品は秀逸で、直接競合するGoogleの製品よりもはるかに優れています。例えば、高音質の「Echo Studio」は米CNETのレビューで、去年の「Google Home Max」よりもはるかに高く評価されましたし。価格もHome Maxより低く設定されています。

Molly Price(以下MP) 確かに、Googleは2019年、Amazonのように多種多様な製品群をリリースしてはいませんが、いくつかの重要な新製品を市場に投入しています。再設計された(そして、音質が向上した)「Google Nest Mini」、第2世代のメッシュルーターシステム「Google Nest Wifi」、新しいスマートディスプレイ「Google Nest Hub Max」ですね。これで、Googleアシスタントのユーザーは、2つの便利なサイズのGoogleスマートディスプレイから好きな方を選べるようになりました。もちろん、「Lenovo Smart Clock」など、Googleアシスタントを搭載するレノボの製品群からも選べます。

 とはいえ、Googleが2019年に発売した純粋な新製品は1つだけ(Nest Hub Max)なのに対して、Amazonは「Echo Show 8」「Echo Show 5」「Echo Flex」「Echo Studio」などを発表しました。ただし、多くの製品を発表することが常に正しいわけではありませんよ。あらゆる形状やサイズのスマートデバイスを多く含むAmazonのAlexaラインアップは、一部の消費者にとって複雑すぎる可能性もあります。

DP Googleには確かに強力な製品がいくつかありますが、新しいEchoスピーカーとディスプレイのラインアップを見ただけでも、やはりAmazonが2019年のハードウェアの勝者にふさわしいでしょうね。

勝者:Amazon

ソフトウェア

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提供:Alina Bradford/CNET

MP それでは、ソフトウェアとスマートホームの統合についてはどうでしょうか。Googleは2019年、「Works With Nest」プログラムを終了し、「Works with Google Assistant」プログラムに移行することで、NestブランドとGoogleブランドを統一しようとしましたが、うまくいきませんでしたね。元に戻せない変更をすることになったユーザーは、「IFTTT」のような人気の高いサードパーティーサービスに接続できなくなったことを知って不満を感じ、Googleは慌ててこの状況に対処せざるを得ませんでした。

 Works with Google Assistantをめぐる問題を別にすれば、Googleは無料版の「YouTube Music」(AmazonのデバイスでYouTubeを使用できる見込みはない)、「Hey, Google」と何度も言う必要がなくなる「Continued Conversation」(続けて会話)機能、有名人の声(歌手のJohn Legend)によるGoogleアシスタントなどの機能を追加しました。

DP Googleのスマートホームのプログラムの移行はうまくいきませんでしたが、GoogleがWorks with Google Assistantで、より良い将来のスマートホームプラットフォームの基礎を築こうとしたことは賞賛したいです。それに、ソフトウェアは今もGoogleの最大の強みです。Amazonは差を縮めつつありますが、Googleアシスタントは依然、Alexaよりはるかに自然で、スマートディスプレイのNest HubのインターフェースもEcho Showより応答性が高く直観的ですね。

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