経営体制を刷新し、ビズリーチは「ビジョナル」へ--新体制に向けた南社長の“感謝と決意” - (page 2)

藤井涼 (編集部) 日沼諭史2019年12月23日 09時00分

ビジネスマンとしては「小学校を卒業したばかり」

——この10年で人材関連のサービスはかなり増えました。日本の働き方や採用の状況は、南さんから見てどう変わりましたか。

 だいぶ変わったと思いますよ。変わったと思うんですけど、まだまだ変わりますよね。すでに「インターネット産業」と言うこと自体が古くなってきていて、あらゆる産業における1つの要素として「インターネット」「インフォメーションテクノロジー」があって、それが各産業に影響を及ぼす時代になり始めているし、これからはさらにそうなっていくわけじゃないですか。

 だからこそ、我々はHR Techという働き方の領域のみならず、そこから派生するさまざまな産業において、生産性向上を支えるようなプラットフォーム企業になっていきたいんです。10年で大きく変わったとは思いますが、もっと変わる。いろいろな角度や要素、変数なんかが変わることによって、進化・変革が促されるのは間違いない。だからこそ、すごくワクワクしています。我々も変わり続けなきゃいけないし、学び直さなきゃいけない。

——この10年で解決できた課題もあれば、そうでないこともあるかと思います。南さんが今一番課題として感じていることは何ですか。

 制度・ルールも含めて、いまだに前の世代の成功体験にしがみついていることが大きな課題じゃないでしょうか。しがみつくこと自体は悪いことではありません。いいところは残しながら、変革すべき部分は変革していかないといけないと思います。

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 日本は何度もそれを経験しているんですよ。江戸から明治って猛烈なトランスフォーメーションだったわけじゃないですか。新しい情報、新しい考え方、新しい技術が入ってきたけれど、日本はそれを数十年という時間をかけて取り入れたうえで世界に生産性で肩を並べる国になったわけですよね。

 また、55年前に東京オリンピックが開催された頃は、東京は世界的にも交通事故が多く、死亡率が高い国でした。病気は蔓延しているし、インフラは整っていないし、平均年齢は29歳だった。戦前、戦後を含め、そこから変革を遂げてきたわけですよね。

 であれば、ここから10年、20年でまた日本は大きな生産性革命が起こせると思っています。この国は変わってきたし、この国の国民はそれを受け入れてきた。ですから、今の生産性が低い状況から、新しい時代のインフラ、新しい時代の技術・考え方を生かした国になれるんじゃないか、そう僕は信じたいですね。そして、我々はそれを支えていく会社の1つになりたいと思っています。

——新体制への移行はもちろん大きな動きですが、南さんご自身の新たな出発でもあると思います。改めて今後の人生をどう生きていきたいと思っていますか。

 僕が社会人になったのが1999年。金融からスポーツ、スポーツからITと自身のビジネスドメインを移してきましたが、20年前にキャリアをスタートしたときは23歳で、60歳まで働けばいい、37年間頑張ればいいと思っていました。

 ところが実際に20年たち、43歳になってあと17年働くはずだったのが、人生100年時代という話が出てきた。そうなると80歳まで働かなきゃいけないっていうことが現実味を帯びてきて、またあと37年あるわけですよ(笑)。何が起こったんだこの20年間!いろいろと自分をトランスフォーメーションさせながら頑張ってきたはずが、まだスタートラインに立っていたと。これはなんて幸せなことなんだろうと(笑)。

 そういうわけで、結局60年間のキャリアがあると想定するならば、これからの時代、20年ってその3分の1なんですよね。ありがたいことに。これを学生になぞらえると、小学校入学から大学卒業までが16年間で、その3分の1は5.33年なんですよ。だから僕はビジネスマンとしてはまだ小6なんですよね(笑)。やっと素晴らしい人生(学生)のこの最初の修行の時期(小学校)が終わったんだなと。

 いろいろなことをさせていただいて、いろんな引き出しを得て、そして引き出しの机の広さも広がり、ようやく公式戦の始まりなんだなと。だから20年間の修行、練習試合を経て、想像もできないような10年、20年、そして残りのキャリアを歩んでいきたいなと思います。

 僕の夢は、10年後、今この瞬間は想像もできないような姿になっていること。この会社自体も想像もできないような10年後になっていたい。そのためには変わり続けなきゃいけない。まっさらな状態でもう一度歩み始めなきゃいけない。

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 こういう生き方を、一緒に働く仲間たちにも伝えていきたいですね。何度でも変われるんだと。学び続ける意思があるなら、何度でも新しい姿に変われるんだと。そして事業を通じて世の中を変えられるんだと。(南氏が)10年前に楽天イーグルスの創業に関わったときに見て、味わった世の中を揺さぶる感覚、世の中を変えている雰囲気、そして何よりもその原体験を感じてほしいんです。

 僕の次の10年間が想像もできない姿になるよう、世の中にインパクトを与える事業を作り続けることにで、一緒に働いている仲間たちがさらに覚醒して、今度は彼らが世の中を変えていけるような、そういう未来を作っていきたいと思います。

——南さんが考える日本の理想の姿はどのようなものですか。

 たぶん、みんなが好きなときに、好きな人と、好きな仕事をして、好きな生き方をしているような未来じゃないですかね。自由と主体性、あるいは自由と責任かもしれないですけど、それって僕は表裏一体だと思っています。何かを実現したいと思ったら、そういう機会と環境がちゃんと全ての国民に提供されている状態、それが僕が理想とする豊かな未来だと思うんですよね。

 今の日本の社会はいろいろなものに囚われていますよね。古いルール、制度、慣習など。これはビジネスも生活もそうだと思います。僕は日本という国は非常にクリエイティブな国だと思っているし、非常に彩り豊かな国だと思っているので、もっと世界に貢献できる国なんだと、そこは信じていきたい。

 この10年間、働き方という領域に向き合ってきたからこそ、何が本当の理想なのか、何が本当に目指すべき姿なのかが見えてきました。そのためにも生産性を向上させていくことは、このフェーズでやらなきゃいけない大事なことだと考えて、生産性向上プラットフォームを自分たちの旗印にしていきたい。

 課題の先にはきっと新しい可能性が待ち受けているし、そうやって課題を可能性に変えていくことが、我々が会社としてできることなのではないかなと思います。

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