さまざまな場面で、アプリを利用して人々の安全を守るサービスが増えている。2017年には、ケニアの10代の少女らによるグループが「i-Cut」というアプリを開発した。女性器切除が強制される危険性を感じたとき、緊急ボタンを押せば警察と医療機関に通報できるアプリだ。女性器切除は、ケニアでは違法だがまだ根絶されていない。
以上は、危険を感じたときに救いを求め、解決策を見いだすためにネット接続を利用するようになった、ほんの一例にすぎない。
この10年でネット接続の重要性が高くなってきたもうひとつのグループが、紛争やその他の危険を避けて故郷から逃れてきた、世界中の難民だ。
2016年の夏に、米CNETはテクノロジーが避難民を支援している状況について詳しくレポートしている。フランスの難民キャンプ、いわゆる「カレージャングル」で、難民がWi-Fiネットワークを手放せない状況も見てきた。ドイツ国内の難民にとって、テクノロジーがいかに必須かも伝えた。言語を学び、職と住居を探すときにも、また新しい故国への溶け込み方を模索するときにもテクノロジーを利用するからだ。
またギリシャでは、スマートフォン66台を一度に充電できるポータブルな電源装置「Instant Charge」技術をVodafone Foundationが配備。トルコや北アフリカから危険を冒して越境してきた人々が、家族や恋人に連絡して無事を伝えることができた。
さらにVodafone Foundationは、「Instant Classroom」技術を利用して、ネット接続したタブレット、ノートPC、プロジェクターなどの教育設備を提供。ケニアのダダーブ地区で6万人以上の若年層難民を支援している。
Vodafone Foundationが緊急事態対応の技術を配備しているのは、難民の支援だけではない。米国、アジア、アフリカ、その他の地域で、自然災害の現場でもそのテクノロジーを駆使している。例えば「Instant Network」と「Instant Network Mini」は、災害に際して緊急に必要とされるネット接続を至急かつ効率的に現場に展開できるポータブルGSM(Global System for Mobile Communications)ネットワークだ。
災害によっては、通信が途絶するだけでなく、物理的なアクセスが遮断されてしまう地域もある。そんなときは、探索ロボットや救助ロボットの出番だ。人間がアクセスできない場所へ行き、被害状況を確認したり、場合によっては被害者を発見して救助したりする。
2011年、大地震の直後に史上最大級の原子力事故が起きた福島では、何年にもわたって、正確な被害状況を突きとめ、将来的な復旧の見込みを判断するために、堅牢性を増したロボットが投入されている。2018年には米CNETも、稼働中のロボットを現地で見学した。
もっと身近な災害についても、ほぼあらゆるシナリオを想定して生き延びられるように、幅広いアプリが登場している。
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