レノボ・ジャパンは11月22日、法人向けデスクトップ「ThinkCentre」シリーズの一部モデルのCTO(カスタマイズ)を日本国内でスタートし、出荷式(テープカット)を開催した。カスタマイズ工程は、同社とNECのジョイントベンチャーであるNECパーソナルコンピュータ(NEC PC)米沢事業場(米沢工場)を活用する。
これまでのレノボの法人向けデスクトップPCは、すべてを海外の生産拠点で生産していたため、受注から納品までが2〜3週間を要していた。今回の国内生産により、自由に構成が組み合わせられるCTO製品を最短5営業日で納品できる体制を整えた。
米沢カスタマイズ対象モデルは、「ThinkCentre M720s Small」「ThinkCentre M720q Tiny」「ThinkCentre M920s Small」「ThinkCentre M920q Tiny」の4機種。受注オペレーションや生産ラインの習熟を目的として、11月より約2カ月間のパイロット期間を設け、その間は対象4機種の標準構成製品48種類を生産する。
レノボとでは、2015年よりThinkPadのWeb個人向け販売をNECPC 米沢工場で生産している。今回本格的に企業ユーザー向けの国内生産を開始することは、レノボの法人向け事業として大きなマイルストーンだ。
レノボ・ジャパン 代表取締役社長およびNECPC 代表取締役執行役員社長のデビット・ベネット氏は、「レノボは世界最大のPCの会社で、モノをつくることに優れている会社。しかし、そのために犠牲にしていることがあったと気づいた。2018年にカンパニービジョンを変更し、効率重視から顧客満足度(CS)重視になった。CSをよくすることを最優先にするといっても、これはいい人ぶって言っているだけではない。CSを上げると、会社の売上げ、利益、株価もよくなると考えている。このビジョンになって、まずお客様の声を聞くことを始めた」とこの国内生産を始めたきっかけを説明した。
製品を買う前の段階、買うとき、受け取るとき、サポート、買い換え、ライフサイクルのすべてのタッチポイントで顧客の声を聞くこと徹底する中で、品質の向上や1デイ・リペアなどに着手してきたが、今回は「出荷を全般に改善してもらいたい」といった声に応えたもの。
「こうしたコミットメントを守るには、One Japanのチームが大きな意味を持つ。設計は大和研究所で行い、修理はレノボでもサービスはNEC PC 群馬サービスセンター。そしCTOの生産が米沢で始まる。設計、サービス、生産のすべての拠点が日本にあるのは、外資系のPCメーカーではレノボが唯一」と自信を見せた。
NECパーソナルコンピュータ 執行役員生産事業部長の竹下泰平氏も、「開発と生産が一緒になってカイゼン活動をしている。よりよい製品を届けるために努力している工場。米沢生産方式は、2万通りのCTOに対応し、最短5営業日の出荷に対応する。それは、一つは、ITシステム(SFC/RFID/ERP/Traceability)によるコントロール。もう一つはトヨタ生産方式によるカイゼン・効率化によるもの」とし、生産現場における電動ドライバーの揺れ防止機構など、現場の力、現場のアイデアで改善していると説明した。CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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